Dell Technologiesは米国時間11月12日、米テキサス州オースティンで記者とアナリスト向けのイベント「Dell Technologies Summit 2019」を開催した。最新のコンバージドインフラ「Dell EMC PowerOne」と従量課金サービスの「Dell Technologies on Demand」が発表された。機械学習や5Gが牽引する“データの次の10年”を支えるとする。
鍵を握るのはデータの統合、オーケストレーション
Dell Technologies CEO兼チェアマン Michael Dell氏
「データのパワーを解き放ち、人類の大きな課題を解決する。これがDell Technologiesが存在する理由だ」――。Dellを創業し、Dell Technologiesの最高経営責任者(CEO)兼チェアマンを務めるMichael Dell氏はいう。Dellは創業35年を迎えたが、当初から「技術の民主化」を重要な目標としてきた。
デジタル変革があらゆる業界で進んでおり、物理的なモノが接続され、デジタル化されている。これらがデータを生成するようになり、データが爆発的に増加している。
「2007年、米国ではセルラーネットワーク上で年間86ペタバイトのデータがやり取りされた。現在、18時間で86ペタバイトが動いており、10年後には10分で同じ量のデータが動く。これは56倍の増加だ」とDell氏。「津波のようなデータ」に対し、これを活用することに最大のチャンスがあると続けた。
爆発的なデータの増加を支えているインフラを見ると、処理能力が進化し、ネットワークが張り巡らされ、接続性が行き渡り、コンピュータ科学が進化している。データを分析して行動につなげるためには、企業のリソース、パブリッククラウド、オンプレミスクラウド、SaaSなどを利用する必要がある。
ここでの課題は、「分断化」「ヘトロジニアス(異機種混在)」だ。「データはサイロ化され、複数のクラウドに分散されている。さらには、自動運転車、スマートシティなどを実現するためにはエッジでの処理能力が求められている」とDell氏、エッジによりインフラの分散、分断が進む一方で、データの活用のためには、そこで生成されるデータの統合や処理が必要、と現状を指摘する。
そこでDellは、EMC、VMware、Pivotal、SecureWorks、RSAなどの傘下企業の技術を組み合わせて、データのコーディネーション、安全性の担保、さらには簡素化を進めると説明。その一例としてVMwareとPivotalの合体に触れ、コンテナ統合管理ツール「Kubernetes」の開発と管理の標準化を進めると述べる。
「vSphereを利用する顧客は60万以上あり、仮想化されたワークロードの数は7000万以上――。これは、全てのパブリッククラウドの合計よりも多い」とDell氏、KubernetesをvSphereに統合することで、同じ開発環境で管理や自動化ができるとのべた。
Dell EMC製品だけで構成されるコンバージドインフラ
この日発表したPowerOneは、サーバーの「PowerEdge」、ストレージの「PowerMax」、スイッチの「PowerSwitch」で構成され、データ保護のPowerProtectも含むシステム。これまでコンバージドインフラの「Dell EMC VxBlock」ではCiscoの技術が入っているが、全てDell EMCの技術になった。PowerOneを紹介した、Dell EMCの最高技術責任者(CTO)であるJohn Roese氏は「インフラ製品をエンドトゥエンドでリフレッシュし、Powerブランドを組み合わせた新しいシステムだ」と説明する。