Microsoftは、統合型検索サービスである「Microsoft Search」を進化させ続けている。Microsoft Searchに取り入れられる予定の最新機能には、深層学習を使った技術である「Project Turing」や、意味や人間の意図を検索に利用するために進めてきた研究開発の成果が含まれている。
提供:Microsoft
Microsoft Searchは、「Windows」や「Office」「Bing」などの製品で利用できるように設計された、統合的な検索体験に対して同社が付けた名前だ。
Microsoftは2017年の「Ignite」で「Bing for Business」を発表した。これは、Bingをインターネットの検索だけでなく、イントラネットの検索でも利用できるようにするという同社の計画の一環だった。その後、この機能の名前は、Ignite 2018で「Microsoft Search in Bing」に変更された。イントラネット向けの検索技術であるMicrosoft Searchは、Chromiumベースになった新しい「Edge」「Windows 10」「Office.com」、さまざまなOfficeアプリケーションなどにも組み込まれる予定になっている。
Microsoftが2017年に説明したように、同社の究極の目標は、単純な検索クエリーだけでなく、個々人に合わせた複雑なクエリー(例えば「ペットを仕事場に連れて行っても大丈夫か?」というような)にも回答できるようにすることだ。「Microsoft Graph API」や、Bingの意味知識理解機能、文章の機械読解技術、「Office 365」のストレージやサービスサブストレートなどは、全てこの種の検索機能をMicrosoftのアプリケーションで実現するために一定の役割を果たしている。
Ignite 2019では、Microsoftの担当者がMicrosoft Searchに新しく追加されるインテリジェントな自然言語検索機能について語った。セマンティック検索機能は現在プライベートプレビューの段階にあり(企業のプレビューへの参加申し込みはここからできる)、SharePoint、Office.com、Bingで利用できる。この機能のパブリックプレビューは、2020年の第1四半期になる予定だ。Igniteでの発表によれば、一般提供の開始は2020年中の予定で、セマンティック検索を利用できる場面を拡張するためのサードーパーティー向けコネクターは2021年中に提供される。
Microsoft Searchでセマンティック検索機能を使うと、メールや文書、チーム、その他の社内のリソースの内容に基づいて、スキルやトピックが一致する人物を検索することができる。また、肩書きや物理的な所在などの属性に基づいて人物を検索することも可能だ。Microsoft Searchにはより高度な自然言語理解機能が組み込まれており、検索の意図や、文脈に基づく用語の意味(頭文字語なども)まで用いて検索することができるという。