分散並列処理プログラミングフレームワーク「Hadoop」の商用ディストリビューションを開発、提供するClouderaは1月にHortonworksとの統合を完了。9月から統合型データプラットフォーム「Cloudera Data Platform(CDP)」の提供を開始した。
日本法人が12月12日に開いた記者会見で執行役員社長の中村共喜氏はHortonworksとの統合から現在までを振り返って「組織統合や新Clouderaとしての戦略策定を経て、CDPの発表に至った。日本市場においてもビジネスやプロフェッショナルサービスビジネス、既存パートナーと新規ユーザーの拡大を目指す」と日本市場にコミットする姿勢を明らかにした。

Cloudera 執行役員社長 中村共喜氏
中村氏は「IT(部門)とビジネスユーザー(部門)は本質的に対立している」と企業内の課題を指摘する。ユーザー部門は敏捷(びんしょう)性を求めるため、クラウドでSaaSやPaaSを使って結果を求める一方で、IT部門はセキュリティ&ガバナンスを徹底しなければならず、シャドーITというバズワードが社会をにぎわした。
中村氏は「両方(の部門が抱える課題)を解決するプラットフォームが望まれている」と述べながら、「真(しん)にクラウドスケールでオペレーションするためには、データとユーザー、ワークロードを独立して管理する必要がある。それがCDPの基本的な出発点」とCDPの概要を説明した。

CDPの主な特徴。AWSとAzureは提供済みだが、2020年にもGoogle Cloud Platform(GCP)に対応する予定
CDPはAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure上で、取得したデータから洞察を得るまでの“Edge2AI”を実現するエンタープライズデータクラウド。パブリッククラウドに加えてプライベートクラウドやオンプレミスといった環境でも稼働可能。独自のCloudera Shared Data Experience(SDX)でデータ管理のほかにセキュリティやガバナンスを統制できることが特徴だ。

CDPのアーキテクチャー。中央のCDPプライベートクラウドは2020年に提供予定