Hortonworksと統合--新Clouderaが提供する統合型データ基盤の要諦 - (page 2)

阿久津良和

2019-12-18 06:45

 またオープンソースソフトウェア(OSS)で構成されていることも特徴と言える。中村氏が「100%OSSの企業に生まれ変わった」と強調するようにライセンス体系も大きく変化している。

 Apache Software Foundation(ASF)がホストし、Clouderaがコントリビューターとして参加するオープンソースプロジェクトは従来通りだが、CDPの基盤となる「Cloudera Runtime」のバイナリーはサブスクリプション契約者のみダウンロード可能。ソースコードはApache Software License(ASL)に従って配布される。

デモンストレーションを担当したCloudera ソリューションエンジニア 叶長耀(ヨウ・チョウヨウ)氏
デモンストレーションを担当したCloudera ソリューションエンジニア 叶長耀(ヨウ・チョウヨウ)氏

 エンタープライズ向けツールや自動化ソフトウェアのバイナリーも同様だが、ソースコードはGNU Affero General Public License(AGPL)に従う形だ。既存製品のソースライセンス方法は2020年2月までに変更される予定となる。

 CDPは具体的にはオンプレミスのデータクラスタをIaaSに構築する「Data Hub Clusters」、ユーザー企業自身がKubernetesを使ってビジネスインテリジェンス(BI)ツールなどでデータを分析する「Data Warehouse」、機械学習を実行するための「Machine Learning」、各クラスタにある情報を可視化する「Workload Manager」、オンプレミスやクラウドの複数クラスタに対してレプリケーションやバックアップを取る「Replication Manager」、複数クラスタに対してデータを検索する「Data Catalog」、システム管理者がエンドユーザーやリソースを管理する「Management Console」で構成される。

「Machine Learning」のデモンストレーション。オートスケール範囲などを指定して開発環境の整ったKubernetesのクラスターを立ち上げるため、「IT部門の負担を軽減する」(叶氏)。作成したモデルはAPIを発行すれば外部からデータ参照も可能
「Machine Learning」のデモンストレーション。オートスケール範囲などを指定して開発環境の整ったKubernetesのクラスターを立ち上げるため、「IT部門の負担を軽減する」(叶氏)。作成したモデルはAPIを発行すれば外部からデータ参照も可能

 Clouderaは2020年に向けた市場戦略として、「これまでと何も変わらず」(中村氏)と前置きしながら、既存顧客や個社別の需要に寄り添うことでビジネスの拡大を目指す。また、セルフサポートユーザー(Clouderaと契約せずにバイナリーをダウンロードしていたユーザー)へのビジネス拡大や「旧来型データウェアハウス(DWH)のオフロードに注力したい」(中村氏)と方針を語った。

「Hortonworks Data Platform(HDP)」と「Cloudera's Distrbution Including Apache Hadoop(CDH)」からCDPへのアップグレードパス
「Hortonworks Data Platform(HDP)」と「Cloudera's Distrbution Including Apache Hadoop(CDH)」からCDPへのアップグレードパス

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

マイナンバーカードの利用状況を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]