Firefox新版にテレメトリーデータ削除求める機能--カリフォルニア州の新プライバシー法施行で

Liam Tung (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2020-01-06 10:51

 Mozillaは、カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)に準拠した変更を世界中のすべての「Firefox」ユーザーに適用すると発表した。

 米国で最も厳しいプライバシー法として知られるCCPAは米国時間2020年1月1日より施行され、さまざまなデータが収集される今日の世界により適したデータ保護規則をカリフォルニア州のユーザーに提供している。

 CCPAは、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)のように、収集される個人情報について知る権利や自身の個人情報にアクセスできる権利を消費者に与える。個人情報が販売されたかどうかを知る権利や、販売を拒否する権利、個人情報の削除を求める権利なども付与する。企業は5万人以上のカリフォルニア州民の個人情報を処理している場合、CCPAの対象となる。

 CCPAはシリコンバレーの大手テクノロジー企業各社に歓迎されない側面もあるが、MozillaはCCPAを支持してきた数少ない企業の1つだったと述べている。

 Mozillaは今回、Firefoxに施した重要な変更の概要を説明している。この変更により、世界中のすべてのユーザーにCCPA規制で得られるメリットを保証する。この動きは、ビジネスの観点から見ても理にかなっているようだ。カリフォルニア州限定版のFirefoxと同州を除く世界向けの別バージョンをリリースしなくて済むためだ。

 今回導入される主な変更点は、ユーザーがMozillaのシステムに保存されたFirefoxのテレメトリーデータの削除を要請できるようになることだ。テレメトリーデータに閲覧や検索の履歴などは含まれないが、開いたタブの数やブラウザーセッションの長さに関するデータは含まれる。

 Mozillaでグローバルポリシー、トラスト、セキュリティ担当バイスプレジデントを務めるAlan Davidson氏は、「われわれは取り組みを強化し、ユーザーの削除権を拡大して、当社のシステムに保存されているテレメトリーデータの削除も対象に含めることを決定した」と述べた。

 「これまで、業界では多くの場合、テレメトリーデータを『個人データ』とはみなしてこなかった。そのデータから特定の個人を特定することはできないからだ。しかし、この措置を講じることは、ユーザーとエコシステムにとって正しいとわれわれは強く感じている」

 デスクトップテレメトリーデータの削除要請をブラウザーから直接実行できる機能を含む新しいコントロールは、1月7日にリリース予定のFirefoxの次のバージョンに搭載される。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

  5. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]