Microsoftは「Office 365」のアプリケーションやサービスを、現場の要員(ファーストラインワーカー)のニーズにより良く応えられるものにしようと1年以上前から取り組んでいる。そして同社は米国時間1月9日、ニューヨーク市で11日から開催されるNational Retail Federation(全米小売業協会:NRF)の年次見本市「NRF 2020」に先立ち、「Microsoft 365」のファーストラインワーカー向けの新機能を発表した。
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ファーストラインワーカーにはデスクが用意されているわけではない。彼らは、顧客の相手をしながらサービスを提供する担当者である場合が多い。そして彼らは、Office 365とMicrosoft 365のユーザーベースを拡大するというMicrosoftの計画において重要な顧客セグメントの1つとなっている。
Microsoftは、同社のグループチャットサービス「Microsoft Teams」に、スマートフォンやタブレットをトランシーバーのように用いて会話できる「Walkie Talkie」という機能を追加しようとしている。Microsoftによると、この押して話しかけるプッシュトゥトークの新たなエクスペリエンスは、Teamsにネイティブなかたちで搭載され、従業員あるいは企業が所有するデバイス上で利用できるようになるという。Walkie TalkieはWi-Fiまたは携帯電話ネットワークを介して機能するため、地理的に離れた場所同士でも会話できる。この機能は2020年前半にプライベートプレビュー版として提供される予定だ。
また、「Kronos」や「JDA Workforce Management」といったサードパーティーのワークフォース管理システムを「Shifts」に直接統合し、スケジュール、時刻、出勤の管理機能をTeamsで利用できるようになる。これには、「Shifts Graph API」とソフトウェア開発キット(SDK)を用いる。Microsoftによると、Shifts向けのJDAコネクターがGitHubで提供されており、Kronos向けのコネクターも今四半期中にGitHubで提供される予定だという。
またMicrosoftは、従業員が勤務時間外に個人のデバイスからTeamsにアクセスすることを制限する機能を追加し、IT管理者側で設定できるようにする計画だ。同社によると、この機能は今四半期から展開を開始する予定だという。
さらに同社は、以下の新機能を2020年前半に追加するとしている。
- Teamsの「Tasks」を使用したタスクのターゲティングやパブリッシング、レポーティング
- ファーストラインワーカー向けにサインインの効率化を実現する、モバイルデバイス上でのワンタイムSMSコードの利用
- 共有デバイス上で動作しているMicrosoft 365やカスタムアプリ、ブラウザーセッションのワンクリックでのサインアウト
Microsoftは、Teamsのこれら新機能をNRF 2020で披露する予定だ。Bloombergによると、MicrosoftはNRF 2020で、現場要員の大規模な移行事例として、7万人を超える従業員がTeamsを利用するようになったIKEAについて発表するという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。