導入企業に利用している製品数を聞くと、2つ以上の製品を利用している企業は約半数。複数利用している理由として、比較検討やテストが36%と最多。
この層は2018年度に導入した割合が高く、ライセンス切れとなる2019~2020年度ないに結論を出す可能性が高いと分析している。導入企業の内、すでにRPAの切り替えを経験している企業は1割にも満たないが、切り替えを準備、検討している企業は3割程度存在していると解説している。
複数利用している理由として互換性・使い分けが27%、安定稼働・リスク分散が17%。すでに比較検討を終え、複数利用を継続する層も存在するとみている。
図3:RPA複数利用の状況(出典:MM総研)
導入企業に今後の利用方針を聞くと、「利用拡大に前向き」が80%。反対に利用中止など後ろ向きな企業は2%に収まっている。この傾向は前回調査とも同様の結果であり、導入企業の業務自動化に対する期待は依然として高いと説明、RPAのさらなる高度化や適用範囲の拡大など、より深く使いこなすニーズは顕在化しており、特に大手企業でその傾向が強いとしている。
利用を拡大するに際しては、人材のほか予算やコスト、組織間連携、業務プロセスなどさまざまな課題が存在するが、現時点ではRPA人材の不足が大きいとみている。
前回調査に続いてAIの導入率も調べている。AI導入率は、2019年11月時点で36%。2018年6月時点では26%だったため、約1年半の10ポイント増となっている。RPAほどではないが、着実な伸びとなっている。
AI導入率をRPAの導入段階別――(1)導入、(2)準備・検討、(3)未導入――の3つで比べると、(1)RPA導入企業ではAI導入率が77%に達するが、(2)準備・検討の企業では12%、(3)の未導入企業では9%にとどまっている。
RPAを活用する企業とそうではない企業でAIをはじめとするデジタル活用の差が顕著に表れる結果になっていると表現。RPA導入企業では機械学習をベースにした光学文字認識(OCR)である“AI OCR”やチャットボットなどを活用した業務自動化に向けた追加投資も始まっていると説明。実際に導入企業の約半数はRPA以外のシステムも新規で導入したと回答しているという。
図4:RPA導入段階別のAI導入率(出典:MM総研)