パナソニックは3月18日、AI(人工知能)プロセッサーを搭載するネットワークカメラと機能を拡張するソフトウェア製品群を発表した。高負荷を伴うAI技術を使ったカメラ映像などの解析処理を効率化できる。
新製品は、パナソニックi-PROアイプロセンシングソリューションズが開発したネットワークカメラ「Xシリーズ」3機種(屋外バンダルドーム型、耐衝撃の屋内ドーム型、屋外ボックス)および2種類のソフトウェア「AI動体検知アプリケーション」「AIプライバシーガードアプリケーション」で、いずれもオープン価格。7月からパナソニック システムソリューションズ ジャパンが販売する。併せてカメラにインストールするアプリケーションを開発するための「i-PRO Camera SDK」も提供する。
従来は、撮像データをAIのディープラーニングなどで解析する場合、カメラ機器とは異なる処理性能に優れたデータセンターなどのサーバーシステムを別途必要としていた。しかし、この仕組みではサーバーシステムに負荷が集中したり、解析結果を得るまでに時間がかかったりするといった課題がある。
AIプロセッサー搭載ネットワークカメラ(出典:パナソニック)
今回は、データの処理機能をその発生源に近い場所(エッジ)にも持たせる「エッジコンピューティング」の概念を取り入れ、カメラ本体にAIプロセッサーを搭載した。これにより、撮像データをカメラ本体で解析して、その結果だけをネットワーク経由で別のシステムに提供して活用したり、カメラ側にAI処理を行うさまざまなアプリケーションを追加したりできる。
また、カメラ本体でもAI処理を実行することで、検知や識別、判定の高精度化を図ったり、時間や天候などの変化に応じて自動的に設定を変更しながら最適な撮影を行ったりできるようになるという。
機能を拡張するソフトウェアのうち、AI動体検知アプリケーションでは、ユーザーが任意に指定した領域への物体の進入を自動的に判別して、警告通知などを行える。AIプライバシーガードアプリケーションでは撮像データに含まれる人物の表情や姿全体を自動でモザイク処理し、個人を特定できないようにする。