他の事業部門との連携でCIOの果たす役割とは、生産的で効率的な業務に必要なテクノロジーとツールを従業員に支給し、自社の日常業務への混乱を最小限に抑えることです。
CHROは、従業員のニーズに耳を傾け、そこから得られる洞察をCIOにフィードバックできます。また、COOは、自社の運用面でのニーズに最も注意を払いつつ、従業員とテクノロジー、両方の側面から「通常通りの業務」の継続に必要な要件について、CHROとCIOの双方にさらなる指導を行うことができます。CFOに関しては、目標や目的の達成で他のビジネスユニットをサポートするため、予算とリソースを投入する役割が期待されます。
混乱が起きる前にCIOが知っておくべきこと
CIOの中心的な役割とは、市場に存在する多種多様なテクノロジーや、テクノロジーが自社にもたらすであろうメリットを理解した上で、さまざまなニーズに応えるため、次世代技術の採用を促すことです。また、CIOに求められるのは、テクノロジーの適切な枠組みを提供、導入することで市場と従業員のニーズの進化に応えることです。これによって、リモートワークのコンセプトも浸透が自ずと進むと考えられます。
今日の企業はすでに、何らかの形態でクラウド環境を採用しており、オンプレミス、ハイブリッド、マルチクラウドの混在環境を最大限に活用しています。Windowsに限らず、企業間でMacやChromebookの利用の拡大を受け、複数のデスクトップOSとデバイスのフォームファクターのサポートも必要です。
この数年間を見ると、PCは専用端末もしくは単一機能の役割で導入されている一方、こうした業務がタブレットやスマートフォンに置き換わられつつあり、ウェアラブル端末やスマート機器など、「エンタープライズIoT」テクノロジーも台頭しています。
さまざまなOSや端末間で行われる業務を管理するため、CIO率いるチームは、統合型エンドポイント管理(UEM)、統合型エンドポイントセキュリティ(UES)、モバイル機器管理(MDM)の各種ツールなどのソリューションを活用する必要があります。その際、複数のOSと複数の形態の迅速な導入をサポートし、リモートワークを含む数千人規模の従業員を対象に、情報やシステムへのアクセスを短期間で確立する必要があります。これらのソリューションは、シンプルな機能を通じ、コンプライアンスに対応しつつ、摩擦を抑えて生産性を高めるものです。
このメリットは、マルチクラウド環境でさらに拡大し、モバイルワーカーの俊敏性、拡張性、生産性はよりいっそう高まります。UEM/UESを活用することで、CIOは幅広い導入モデルを活用し、個人所有から企業所有までのあらゆるデバイスを対象に、一貫したユーザーエクスペリエンスと継続性の達成をサポートできます。複数のデバイスで同一の情報にアクセスすることで、混乱は基本的に最小限に抑えられます。