コンシューマー向け「Office 365」が「Microsoft 365」に--新機能も追加

Mary Jo Foley (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2020-03-31 13:38

 Microsoftは米国時間3月30日、コンシューマー向けの新しい「Microsoft 365」サブスクリプションサービスを発表した。「Microsoft 365 Personal」と「Microsoft 365 Family」が、「Office 365 Personal」と「Office 365 Home」を置き換えることになる。コンシューマー向けOffice 365のバンドルにいくつかの新機能を追加して、同じ料金プランで提供する。

PCを見て談笑する家族
提供:Microsoft

 コンシューマー向けMicrosoft 365のバンドルは、「Microsoft 365 Life」という仮称の下、「Alta」のコードネームで開発が進められていた。Microsoftは、これらのサブスクリプションの開発に2018年から取り組んでおり、筆者の複数の情報筋によると、本来は2019年の年次カンファレンス「Build 2019」で発表する予定だった。

 Microsoftによれば、Office 365の加入者は現在、3800万人を上回る。Office 365ユーザーは、ローカルPC向けのデスクトップ版Officeアプリ、クラウドストレージ「OneDrive」に1人当たり1TBの容量、「Skype」通話60分、統合型セキュリティーサービスを利用できる。Microsoft 365 PersonalとMicrosoft 365 Familyのバンドルは、これらのコンシューマー向けOffice 365を進化させたもので、4月21日より新ユーザー向けに提供を開始する。Office 365の既存ユーザーには、これらのいくつかの強化機能を3月30日から展開していく。

 Microsoft 365 Personalは1ユーザー当たり月額6.99ドル(約760円)。Familyは月額9.99ドル(約1080円)で最大6ユーザーが利用できる。これらのコンシューマー向けMicrosoft 365の詳細については、同社ウェブサイトで確認できる。Office 365 Personal/Homeの現行ユーザーは、Microsoft 365 Personal/Familyへと自動的に移行する。

 Microsoftはすでに、コンシューマー向けMicrosoft 365で提供する新サービスの準備を進めている。そうしたものには「iOS」と「Android」向けの「Family Safety」アプリ、グループチャットプラットフォーム「Microsoft Teams」の消費者向け新機能、家計の支出を追跡する「Money in Excel」などがある。

 Family Safetyアプリは、「Windows PC」や「Xbox」、iPhoneやAndroidデバイス全体で、子供のスクリーンタイムを管理できる。今から数カ月以内に提供するプレビュー版は、ユーザー登録を経て、アプリをダウンロード後、すべての機能を無料で利用できる。完成版は、アプリストアで提供する無料版のほか、Microsoft 365 Familyのサブスクリプションが必要な有償版があり、後者は位置通知や運転安全レポートなどのプレミアム機能が利用可能だ。

 コンシューマー向けTeamsは、個別に新バージョンやSKU(製品エディション)は用意しない。その代わり、家族やグループが興味を持ちそうな機能を追加して、職場以外で使用したり、仕事と個人のアカウントを容易に切り替えたりできるようにする。新機能のプレビューは、Teamsモバイル版で数カ月以内に提供する。当初は全ユーザーが無料で利用できるようにするが、将来提供するプレミアム機能は、コンシューマー向けMicrosoft 365の加入者だけが利用できる。

 Money in Excelは、コンシューマー向けMicrosoft 365の加入者が、銀行やクレジットカードのアカウントExcelとつないで、支出を管理、追跡、分析できるようにするもの。例えば、取引履歴や残高を取り込んで、パーソナライズしたワークブックを作成し、お金の使い方を把握できる。この機能はまず米国で、今後数カ月以内に提供する。

 これらのコンシューマー向けMicrosoft 365のバンドルは、法人顧客のためのMicrosoft 365(Microsoft 365 F1、E3、E5)とは異なり、サブスクリプションサービスとして販売しているWindowsのバージョンは含まれない。消費者の多くは、PCにWindowsの新バージョンがあらかじめインストールされているため、これは理にかなっている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  2. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  3. 運用管理

    IT管理者ほど見落としがちな「Chrome」設定--ニーズに沿った更新制御も可能に

  4. セキュリティ

    シャドーITも見逃さない!複雑化する企業資産をさまざまな脅威から守る新たなアプローチ「EASM」とは

  5. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]