プリンティングサービスを手がける米Xeroxは米国時間3月31日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)に起因する市場の混乱を理由に、競合企業であるHPの買収に向けた取り組みを撤回すると発表した。Xeroxは、HPに対する敵対的買収(TOB)と、取締役を入れ替える提案を公式に取り下げるとしている。
Xeroxは声明で、「このような措置を取ることは残念だが、当社の従業員や顧客、パートナーなど利害関係者の健康と安全、福利、そしてパンデミックへの広範な対応を最優先にしている」と述べた。
また、「XeroxとHPを合併することから生まれる長期的な財務上、戦略上のあらがい難い利点は残っている。HPの取締役会による交渉の拒絶は数カ月に及んでおり、その遅延戦術によって、この取引に絶大な支援を表明してくれたHPの株主に大きな不利益がもたらされたことは明らかだ」としている。
Xeroxは13日、TOBと、取締役の提案については撤回しないものの、HPの買収に向けた取り組みを一時中断すると発表していた。HPは株主宛ての書簡で、現在の経済環境や世界的な公衆衛生上の危機を鑑みた場合、合併はさらに内容の乏しいものになるだろうと述べていた。
HPの取締役は、Xeroxが買収を進める動きを一貫して拒否していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。