「iPhone」に関するうわさは、これでしばらくは沈静化するだろう。小型だが強力な「iPhone SE」の第2世代モデルをAppleが正式に発表した。この新型モデルは、2016年のiPhone SEの後継機種で、「iPhone 8」と同様の外観だが、内部コンポーネントはAppleの現行世代のスマートフォンに匹敵する性能を備えている。
この新しいエントリーレベルのデバイスの最も素晴らしい特徴は、おそらくその価格だろう。新型iPhone SEの価格はわずか399米国ドルからとなっている。そのため、より小型のiPhoneを欲する人々だけでなく、会社所有のAppleデバイスを従業員に支給したいと考えている企業にとっても、最適な製品である。
米TechRepublicの姉妹サイトである米ZDNetに寄稿するJason Cipriani氏は、2020年のiPhone SEがAppleのラインアップで果たすことのできる役割について、率直に語っている。「これは、10代の若者が初めて所有するスマートフォンとして堅実な選択肢であるだけでなく、大金を費やすことなく従業員にiPhoneを支給したいと考えている組織や企業にとっても理想的なソリューションである」(Cipriani記者)
Appleのエコシステムで事業を展開している企業は、高価なデバイスを購入することや、BYODポリシーを利用して自社のチームにデバイスを使用させることから逃れられないと感じているかもしれない。最新の内部コンポーネントを備えるiPhoneを低価格で提供することで、Appleは企業に対して、大量の企業向けiPhone SEへの投資を納得させることができる可能性がある。
この数年の間に企業で育まれたBYODの考え方を再考している人もいる中で、新型iPhone SEは、個人所有のデバイスを仕事に使用するというセキュリティの悪夢を解決してくれるかもしれない。
iPhone SEは購入すべきなのか
価格を別にしても、2020年のiPhone SEは、2019年後半に発売された「iPhone 11」シリーズと同等の内部コンポーネントを備えているので、より小さな画面(対角線の長さがわずか4.7インチ)に抵抗がないのなら、非常にお買い得である。
とはいえ、画面(標準的な旧式のベゼルを備えている)が小さいということは、iPhone SEの本体も小さいことを意味する。iPhone SEは5.45インチ(138.4mm)×2.65インチ(67.3mm)×0.29インチ(7.3 mm)という非常に小さいサイズで、iPhone 11よりも高さが0.49インチ(12.5mm)短く、幅も0.33インチ(8.4mm)短い。
ディスプレイは小さいながらも最新のiPhoneと同等の性能で、iPhone 11と同じ輝度と色深度、コントラスト比を提供する。ディスプレイに関して、iPhone 11より劣っているのは、「Liquid Retina HD」ディスプレイが搭載されていないことだけだ(SEは通常の「Retina HD」を搭載する)。
2020年のiPhone SEはワイヤレス充電にも対応しており、報道によると、わずか30分で50%まで充電できるという。空港や短時間のドライブ中の車内でスマートフォンの充電が完了するまで待つ時間のない移動中のプロフェッショナルにとって、これは嬉しい機能だ。
純粋な処理速度に関しては、iPhone SEにはAppleの最新SoC「A13」とそれに対応する第3世代のニューラルエンジンが搭載されているため、iPhone 11と同じくらい高速である可能性もある。
また、iPhone SEは、Appleが「iPhoneで最高のシングルカメラシステム」と評したƒ/1.8絞り値の12メガピクセルカメラも1台搭載している。A13チップにより、この単一のカメラは、ポートレートモードやバーチャル照明、薄暗い写真をデジタルで明るくするSmart HDRの使用など、ハイエンドのiPhoneでできることの多くを実行可能だ。
2020年のiPhone SEはIP67にも準拠している。「Face ID」が好きではない人のために、「Touch ID」センサーが組み込まれた物理的なホームボタンが採用されている。
確かに、2020年のiPhone SEの成功を疑問視するのは妥当なことかもしれないが、この製品は強力で手頃な価格のビジネス用スマートフォンの潜在的可能性をすべて備えており、長い間満たされてこなかった企業のニッチを埋める可能性もある。
iPhone SE
提供:Apple, Inc.
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。