セゾン情報、「DataSpider」の製品戦略--開発組織を刷新

藤本和彦 (編集部)

2020-05-12 16:00

 セゾン情報システムズは5月12日、データ連携ソフト「DataSpider」の製品戦略についてオンライン説明会を開催した。

 DataSpiderは2001年のリリース以来、「『つくる』から『つなぐ』へ」をコンセプトとしたデータ連携ソフトとして、国内外で累計3000社が導入している。2019年1月には中核製品の「DataSpider Servista 4.2」がリリースされ、2017年1月にはiPaaS「DataSpider Cloud」の提供が開始された。

 DataSpiderの特徴は、ノンプログラミングでデータ連携処理を開発できる点、設計から運用までを1つの製品でカバーできる点、50種以上の連携先に対応できる点にあると、マーケティング部 DataSpider プロダクトマーケティングマネージャの細見せいじ氏は説明する。

50種類以上の豊富なアダプター
50種類以上の豊富なアダプター

 最新版のDataSpider Servista 4.2では、「DX(デジタル変革)連携プラットフォーム」をテーマに掲げ、デジタルビジネスを加速させるデータ統合基盤として展開している。直近では、2020年4月に「DataSpider Servista 4.2 Service Pack5」がリリースされた。新しい接続先として「Oracle Cloud Infrastructure Database 19c」に対応したほか、「DataRobot Cloud」への接続機能を強化した。

 同じく4月にリリースされた「DataSpider Cloud 1.4」では、クラウド側からオンプレミス側データベースへの直接アクセスを可能にする新機能「Thunderbus DB Agent」が追加された。専用線やVPN(仮想私設網)などのネットワーク設定が不要で、オンプレミスのリソースにアクセスできるようになる。また、開発環境である「DataSpider Studio」の応答速度(最大97%)やデータ連携にかかる処理時間(同88%)も削減された。AI-OCR(人工知能を活用した光学文字認識)サービス「Tegaki」への接続にも新たに対応した。

 DataSpiderの主なユースケースとしては、ERP(統合基幹業務システム)やBI(ビジネスインテリジェンス)などのシステム間連携、Excel入力の自動化などのオートメーション、新システムへのデータ移行・同期などのモダナイゼーション、オンプレミス-クラウド連携/クラウド-クラウド連携などのクラウド活用が挙げられるという。

 セゾン情報システムズが実施した調査によると、データ連携ツールの必要性は高まる一方で、非ITユーザーの取り込みが導入のカギになっているという。その背景には、SaaSアプリケーションの利用増加や、それに伴う非ITユーザーの増加がある。そうした環境変化に対応するため、データ連携ツールにも使いやすさやシンプルさを求める声が大きくなっているという。

 2020年度には、これまで「HULFT」とDataSpiderで分かれていた製品開発部を「テクノベーションセンター」の下に統合した。HULFTとDataSpiderのエンジニアが集合した新しいエンジニアリング組織へと刷新された。ユーザーニーズ、技術トレンドを取り入れた研究開発の高速化と、顧客価値をさらに増大させるための活動に注力するとしている。

HULFT事業を取り巻く組織の変更
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