ピュア・ストレージ・ジャパンは6月11日、ソフトウェアスイートの最新版「Purity//FA 6.0」を発表した。年次イベント「Pure//Accelerate」の開催に合わせて発表されたもの。今回のイベントは新型コロナウイルの影響もあってオンラインでの開催となった。
代表取締役社長の田中良幸氏は、2021年度第1四半期(2020年2~4月)の決算について、新型コロナの世界的な流行で消費やIT投資が停滞し、物流が混乱するという悪条件下でも堅実な成長を実現しており、前年同期比で12%増となったことを紹介。その背景として同社が以前から取り組んできた「強固でレジリエンス性の高いサプライチェーン」の構築が寄与したとした。
新型コロナの流行を受けた同社の取り組みと顧客支援策
また、同社の製品/サービスが市場で高い支持を受けているほか、特にハードウェア製品の流通状況が業界全体で混乱する中で、同社が構築したサプライチェーンは短納期での納品を可能としたことから、さらに評価が高まったと語った。
続いて、米Pure StorageのVice Presdient, Storategy(戦略部門副社長)であるMatt Kixmoeller氏が、Purity//FA 6.0の特徴を説明した。今回のバージョンアップ
を「これまでで最大規模のアップデート」(同氏)だと位置付けた上で、特に注目すべき新機能として「ActiveDR」と「//FA Files」の2つを挙げた。
Purity//FA 6.0の概要
同氏はこれまでの歩みを振り返って、Pure Storageの最初の10年を「ストレージアレイの改革」に取り組んだ期間と総括。次のステップとして「モダン・データ・エクスペリエンス」の実現と「ストレージ・アズ・ア・サービスの提供」に注力していくとした。Purity//FA 6.0の新機能も、新たな目標であるモダン・データ・エクスペリエンスを実現するための機能強化の一環と理解してよいだろう。
同社が掲げる「モダン・データ・エクスペリエンス」の概要
ActiveDRは、災害対策の一環として遠隔拠点間での継続的なレプリケーションを行う機能となる。遠隔拠点間で設定できる上、競合他社ではこうした機能は有償のオプションとして提供されるのが一般的なのに対し、同社はソフトウェアの標準機能として実装しているため、無償で利用可能となる点も特徴といえる。
ActiveDRの主な特徴
//FA Filesでは、ファイルアクセスプロトコルとしてSMBとNFSに対応する。2019年4月に発表されたCompuverdeの買収によって獲得されたファイルアクセス関連の技術をベースとして開発されたものだという。
また、Kixmoller氏はグローバルにおける最新の市場動向を紹介し、昨今の厳しい経済状況の中でグローバルのストレージ市場は縮小している一方、同社は売り上げを伸ばしており、さらに日本市場では急速な成長を示していると語った。