追手門学院大学は、クラウド型ファイル共有サービス「Dropbox Business」を全学で採用した。資料を自由に参照・共有できる環境を整備する。モバイル端末からの閲覧にも対応し、紙資料の電子化を進める。教員にもアカウントを配布しており、講義資料の配布などに活用する。2020年4月現在、ユーザー数は教員・学生を合わせて約9500人となっている。
同大学では、Dropbox Businessの導入に当たり、SCSKとともに環境設定やテータ移行などの作業を進めた。2019年春の新キャンパス開設と同時にDropboxを使い始め、2019年4月に1年生全員を対象に私物端末の活用(BYOD)をスタートした。
導入の利点としては、ファイルを利用したログ情報や統計情報が取得できるようになったことで「どのデータへのアクセスが多いか」「どういう使われ方が多いのか」といったことを可視化し、利用環境の改善や最適化に生かせるようになったという。ファイルの変更履歴が残るため、誤って削除してしまったファイルも復元できるので、運用負担の軽減につながっているとした。
2020年以降も新入生が入学するごとに、全員にDropbox Businessのアカウントを提供し、BYODを実施していく。2022年以降は全学生がDropboxベースのBYOD環境で講義を受けられるようにする計画だ。また現在は既存のファイルサーバーを使っている事務職員についても、将来的にDropboxへ移行ができないか検討を進めている。
同大学では新型コロナウイルス禍の中においても、大きなトラブルなくオンライン講義をスタートさせており、これが成功裏に進んでいる一つの要因にDropboxを挙げている。配布資料はDropbox、講義動画は別サービスに使い分けた運用をすることで、情報を整理し、各種システムへの負荷も分散でき安定稼働につながっているという。