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テレワークの質問は「Why」から「How」に様変わり--Dropboxの五十嵐社長

國谷武史 (編集部)

2020-04-23 06:00

 Dropbox Japan 代表取締役社長の五十嵐光喜氏は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って顧客企業からDropboxの使い方を問われる傾向が強まっていると話す。「以前は、テレワークをする“Why”(なぜ)がクローズアップされたが、今は“How”(どうやって)の部分が問われている」(同氏)

ウェブ会議でインタビューに応じたDropbox Japan 代表取締役社長の五十嵐光喜氏。背景は数年前に訪れたアイルランド・ダブリンのオフィスという
ウェブ会議でインタビューに応じたDropbox Japan 代表取締役社長の五十嵐光喜氏。背景は数年前に訪れたアイルランド・ダブリンのオフィスという

 五十嵐氏は、2019年が同社にとって試金石だったと振り返る。ここ数年は政府の推進する「働き方改革」の動きが広まり、同社では従来のクラウドストレージサービスの域にとどまらない“3C”ーー「Content(コンテンツ)」「Coordination(コーディネーション)」「Communication(コミュニケーション)を重視する戦略を進めた。同年6月には、国内データセンターでのデータホスティングにも対応し、今後の事業展開において必須ともいえる顧客から強く求められたサービス基盤を整備した。

 上述のように、新型コロナウイルスの拡大で顧客が働き方改革で重視するポイントも大きく変わった。五十嵐氏によれば、従前は「時間短縮」と「生産性向上」の2つを期待する顧客が多かった。

 「2019年は業界別のセミナーなども複数開催し、働き方改革のモーメンタムを作ることができた。どの業種でも半数以上が時間短縮(残業の削減)や生産性の向上を期待し、効果を感じているとする企業も時間短縮で半数以上、生産性の向上について3~4割ほどに上った。業務に潜む“ムダ”をいかに減らすかが焦点だった」(五十嵐氏)

 ただ、「従前の働き方改革は、半ば社会的要請に基づく対応という雰囲気もあったのではないか」と五十嵐氏は語る。そこに新型コロナウイルスのパンデミックが発生した。現在の企業は、テレワークなどを駆使して可能な限り感染リスクを抑え込み、同時に事業も継続しなければならない状況だ。

 「感染症が重大な経営リスクに組み込まれ、BCP(事業継続計画)においてテレワークが必須になる。新型コロナウイルスが収束した後は、この対策を長期にわたって確立していくことがテーマになり、この市場が大きく変わることになるだろう」と五十嵐氏。「その時にDropboxができることを示す」(同氏)が、2020年の事業方針になる。

 目前では顧客から寄せられるDropboxの活用方法について、熟練のユーザー企業と協力しながらウェブセミナーを通じたノウハウの紹介や共有に取り組んでいるほか、営業や技術、カスタマーサクセス(顧客サポート)の各担当者がユーザー支援に当たっているという。

 また、Dropboxに新たな使い方としては、サードパーティーのアプリケーションと連携するスマートワークスペースのコンセプトに基づく「Dropbox Spaces」や、マルチユーザーで常に最新のドキュメントを共有できる「Dropbox Paper」などを提案していく。

 五十嵐氏は、特にDropbox Paperについて「言わばデジタルのホワイトボードになる。ある建設現場では、毎日膨大な数に上る出入りする車両や会社のスケジュールや変更内容などをリアルタイムに共有している」と話す。テレワークとともに増えるウェブのビデオ会議でも「議事録に悩む声が増加しており、Paperで会議中にメモ書き内容を全員で共有する使い方もできる。Dropbox Japan内部でも以前から全社員がZoomとDropbox Paperを使ってきた」という。

Dropbox Spacesのデモ。連携するDropbox Paperでは職場のホワイトボードのような位置付けで、リアルタイムに情報を共有したり、アプリケーション連携による活用を実現させる
Dropbox Spacesのデモ。連携するDropbox Paperでは職場のホワイトボードのような位置付けで、リアルタイムに情報を共有したり、アプリケーション連携による活用を実現させる

 2020年の事業戦略について五十嵐氏は、Dropboxの“How”の提案を推進していくという。上述のDropbox Paperや、拡張機能の「Dropbox Extensions」ではERP(統合基幹業務システム)などの領域でも連携を図る。また、2019年に買収した電子署名のHelloSign(Dropbox HelloSign)の国内提供を本格化させ、業務フローの変革にも切り込む。1月には西日本地域で活動拠点となる「大阪オフィス」も開設し、地域密着型の事業展開も本格化させる。

 新型コロナウイルスの流行がいつ終息するかは分からないが、五十嵐氏はテレワークなどの新しい働き方の取り組みが確実に問われる世界に変わると見ている。2020年の五十嵐氏個人の目標は、「奮発して購入した体重体組成計での測定結果、“体年齢”は41歳で30代にしたい」とのこと。大きな変化につながる局面を乗り切るには健康が大切だ。

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