DXの中核となる“Data 4.0”--インフォマティカが事業戦略 - 5/5

渡邉利和

2020-06-22 10:00

 インフォマティカ・ジャパンは6月19日、グローバルと日本での事業戦略について報道機関向け説明会を開催した。グローバルの事業戦略については、1月に就任したばかりの米Informatica CEO(最高経営責任者)のAmit Walia氏がオンラインで説明した。

米Informatica CEOのAmit Walia氏
米Informatica CEOのAmit Walia氏

 Walia氏は、デジタル変革(DX)の取り組みに必要な要素として「戦略的なマインドセット」「大規模なイノベーション」「クラウドネイティブ」「データ主導」の4点を挙げた、さらに、データ主導という点については、その発展経緯を1.0、2.0、3.0の3段階で説明した。

 同氏は「Data 3.0」を「DXのためのデータ活用」と位置付け、現在多くの企業が取り組んでいるものとした。その上で、次の段階と同社が考える「Data 4.0」について説明した。同氏は「Data 4.0には、“クラウドネイティブ”“インテリジェントなオートメーション(自動化)”“AI(人工知能)駆動”“ガバナンス/信頼性”“部門単位でなく、全社規模の大規模運用”の5つの要素が必要だ」と指摘。中でも、AI駆動はインテリジェントな自動化を実現するために重要な要素だといい、Data 4.0が「DXの中核となる」とした。

 そして、同社の製品に組み込まれたプラットフォーム機能である「CLAIRE」がAI機能を提供し、クラウドネイティブでマイクロサービスベースのAPI駆動型アーキテクチャーに基づく「インテリジェントデータプラットフォーム」を構成しているとした。

 なお、Walia氏は自社の強みとして「イノベーション主導」「クラウドスケール」「データコミュニティー」「業界評価」「カスタマーサクセス」「広範にわたる信頼性」の6点を挙げている。

インフォマティカ・ジャパン 代表取締役社長の吉田浩生氏
インフォマティカ・ジャパン 代表取締役社長の吉田浩生氏

 続いて、インフォマティカ・ジャパンの代表取締役社長である吉田浩生氏が日本での事業戦略を説明した。まず、日本のビジネス規模について「2011~2019年で440%の成長を達成した」と紹介したが、その直前にWalia氏は「10年で500%成長」という数字を挙げていた。これは、吉田氏が社長に就任した2010年を基準にした場合の数字だという。

 大幅な成長を遂げた経緯について同氏は、就任直後の2011年と2019年の製品別の売上比率を比較して「2011年の段階では“パートナー販売中心のETLベンダー”だったが、パートナー販売網はそのままに顧客の生の声を聞くために直販に力を入れ、2015年までインフォマティカについて顧客に分かってもらうことに注力した」という。

 こうしてハイタッチセールスを強化し、2014年には直販比率が約90%までになったところで、2015年からパートナー制度を刷新してパートナー販売に注力した。この時期は「データの重要性が社会的に認知され始めた」時期に当たり、パートナーとともに「コンプレックスソリューションの提供を開始した」という。

 2019年にはパートナー関連の売上比率が75%超となっているそうで、今後はパートナー経由の商流を100%にすることを目指しているという。この間、パートナーの位置付けにも変化があり、単なるチャネルパートナーではなく、テクノロジーやソリューションを共同で構築していく「戦略的パートナー」との関係強化に努めている。

 具体的には、2019年秋に発表されたNTTコミュニケーションズとの戦略的協業などがその一例になる。同社のクラウドソリューションとインフォマティカのクラウドソリューションを組み合わせ、セキュリティとコネクティビティーを両立する新たな価値を提供することを目指すという。最後に吉田氏は国内事業の目標として「2023年までに日本のビジネスを200%成長」させるとした。

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