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記事まとめ「テレワーク常態化で見えたこと」

SHIFTがクラウドをフル活用して統合DB基盤を構築--コロナ禍の業績分析も迅速化

藤本和彦 (編集部)

2020-08-12 07:00

 SHIFTは、ソフトウェアの品質保証やテストを専門とするIT企業。システム開発におけるプロセスと品質の改善を目的として独自のテスト方法論を確立し、ソフトウェアテスト管理ツール「CAT」(Computer Aided Test)を構築。金融、流通、製造、ウェブ、ゲームなどあらゆる業種における、ウェブサービス、業務パッケージ、ECサイト、スマホゲームなど多様なシステム製品・サービスを対象に事業を展開してきた。

 近年は、ユーザー企業やプライムベンダーを顧客として、開発の上流工程から参画する案件が増加。上流工程で不具合を未然防止する「仕様書インスペクション」や「テスト戦略策定」といった業務も請け負うようになってきたという。

 同社では、創業当初からデータを使った業務の分析を進めてきた。例えば、ソフトウェアテストは短期の案件が多く、月次でのプロジェクト採算管理では間に合わないため毎日粗利計算をしているという。

 情報システム部 基幹システム推進グループ グループ長の大網康志氏によると、従来のシステム環境では、画面からデータを取り出せなかったり、APIが実装されていなかったりして、多くの制約があったという。また、そうした課題に対応するには追加の開発が必要になり、数百万円の規模になってしまう。そこで「まずはデータを取り出しやすい仕組みに置き換えていくところからスタートした」(大網氏)

 その後、営業支援や販売管理、プロジェクト管理などの業務システムからデータを取得し、Excelで集計・加工して週次のレポートを作成していた。現在では約50人の営業担当者で3000件ほどの案件を取り扱っているため、求められる集計サイクルを実現することはExcelでは不可能な状況であり、自動化された分析基盤が必要となり、その構築に踏み切った。

 具体的には、プライムナンバーのクラウド型ETL(抽出・変換・格納)サービス「trocco」とGoogle Cloudのクラウド型データウェアハウス「BigQuery」を組み合わせて統合データベース(DB)基盤を構築。そこに業務システムのデータを集約し、各種KPI(重要業績評価指標)を管理するための分析環境を整備した。

統合データベース基盤の構成イメージ
統合データベース基盤の構成イメージ

 troccoは、SaaS型のマネージドサービスなので、開発や実装、管理といった作業を自前で行う必要がなく、契約してすぐに使い始められる手軽さも魅力だった。大網氏が率いる基幹システムの構築チームは同氏も含めて2人だけだったこともあり、導入時のトレーニングに時間をかけたり、ツールの運用や監視、保守に人手をかけたりできない状況だった。

 また、マネジメントからはデータの可視化について、日々さまざまな要求が飛んでくるため、社内開発で対応できる柔軟性も求められていた。営業支援システムなどで項目の変更があったり、レポート作成のためにデータの加工が必要になったりした場合でも、troccoで即座に対処できるようになった。

 新型コロナウイルスの影響で売り上げの落ち込みが懸念されたが、新たに構築したシステムで案件の進行状況を可視化してみると、いわゆる“期ずれ”が多く発生していることが分かり、「決して失注したわけではないという安心感が持てた」(大網氏)と振り返る。Excelから脱却したことで週次から日次でレポートを作成できるようになったおかげだという。

 ウィズコロナ・アフターコロナの時代に対応した新しい営業様式への変革も進めている。具体的には、感染拡大防止の観点から営業担当者による企業訪問がなくなり、ウェブ会議での商談が急増した。それに伴って、営業支援システムの項目設定を変更し、訪問・ウェブ・電話などどのような方法で企業にアプローチしているのか、実際の動きを追跡できるように案件の進め方や見せ方を変えているという。

 今後は、勤怠状況や人事情報、ES(従業員満足度)調査といったデータも統合DBに集約し、社員や組織の状態を可視化することで、組織作りに生かしていきたいとしている。

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