セゾン情報、AribaやConcurとデータ連携--間接材コストを可視化

阿久津良和

2020-10-14 07:15

 セゾン情報システムズは10月13日、「HULFT」「DataSpider Servista」を活用してSaaSや各種システムを連携する“リンケージ”サービスの強化を目的に、クラウド型調達・購買システム「SAP Ariba」とDataSpider Servistaを組み合わせた「SAP Aribaリンケージサービス」を発表した。11月1日から受注し、価格は500万円から。今冬の提供を予定している。

 「SAP Concurリンケージサービス」で導入している「Concur Invoice」に、機械学習を応用した光学文字認識“AI OCR”「Remota」(ファーストアカウンティング)を組み合わせた「完全ペーパーレス請求書オプション」の受注も同日から開始した。こちらは年内の提供を予定している。

セゾン情報システムズ 執行役員 リンケージビジネスユニット長 花香勝氏
セゾン情報システムズ 執行役員 リンケージビジネスユニット長 花香勝氏

 各サービスを提供する背景としてセゾン情報システムズ 執行役員 リンケージビジネスユニット長 花香勝氏は「顧客の課題や要望の声を分析すると、コロナ禍も相まって紙の請求書が課題となり、会計システムとの連携に手作業が発生してしまう。購買部門においても、間接材の調達コストが見えづらい」と顧客が抱える課題を解説した。

 2014年度からデジタル化に注力してきたセゾン情報システムズは、経営や業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するモダンマネジメントサービス、DX基盤となるデータ連携基盤構築サービス、財務・経理をDX化するモダンファイナンスサービスを組み合わせたリンケージサービスを展開してきた。

 サービスを開始した2015年度から2019年度までの累計導入社数は132社、売り上げも前年度比148%と順調に推移している。同社は2020年4月からリンケージサービスを部門として独立させ、今回のモダンファイナンスサービスの強化に至った。SAP Aribaリンケージサービスは新サービス、完全ペーパーレス請求書オプションは、SAP Concurリンケージサービスのオプションという位置付けだ。

今回発表したサービスの位置付け 今回発表したサービスの位置付け
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セゾン情報システムズ リンケージビジネスユニット ビジネス開発部 部長 今野達矢氏
セゾン情報システムズ リンケージビジネスユニット ビジネス開発部 部長 今野達矢氏

 2013年にSAPが買収したAribaは当初からグローバル展開を標榜し、2016年から日本市場でもSAP Aribaとして展開を開始。世界各国から直接材や間接材の調達を一気通貫で実現するSAP Aribaをリンケージサービスに組み込んだ理由として、セゾン情報システムズ リンケージビジネスユニット ビジネス開発部 部長 今野達矢氏は「部品や中間部材に代表される直接材は1円単位で最適化されているが、各部門の個別調達する間接材が可視化、制御されていないと聞く。一説には売り上げの1~2割にあたる間接材の費用を可視化できれば、コストダウンの実現が可能」だと説明する。

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