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AWS re:Invent

AWSの担当者に聞く、コンテナーやマイクロサービスの方向性

國谷武史 (編集部)

2020-12-03 13:09

 Amazon Web Services(AWS)は、米国時間12月1日にオンラインでスタートさせた年次イベント「re:Invent 2020」の基調講演において、コンテナーを中心とする多くの新サービスを発表した。ユーザーの利用は、仮想マシン(VM)によるインスタンスサービス「EC2」が中心だが、コンテナーやマイクロサービスの利用も広がる中でこれらの方向性をElastic Containers Compute ServicesディレクターのDeepak Singh氏に聞いた。

Amazon Web Services(AWS) Elastic Containers Compute Services ディレクターのDeepak Singh氏
Amazon Web Services(AWS) Elastic Containers Compute Services ディレクターのDeepak Singh氏

 コンピューティングに関するサービスとしてAWSは、インスタンス、コンテナー、サーバーレスを展開する。歴史の長いEC2はユーザーが多いが、基調講演でCEO(最高経営責任者)のAndy Jassy氏は、「クラウド上のコンテナーの約3分の2がAWS上で稼働している」と利用状況を紹介した。

 これらについてSingh氏は、「確かにEC2が数多く利用されているが、もちろんアプリケーションに応じてコンテナーやLambdaなども利用が増えている。基本的には、ユーザーが必要に応じてどこでも利用できる環境を提供することがAWSの立場で、近年はコンテナーやサーバーレスへの要望が多いということ」と話す。

 前回のre:Invent 2019では、マイクロサービス関連の発表が目立ち、先進技術を推進する印象を受けたが、re:Invent 2020では成熟化が進むコンテナー関連の発表が中心となった。特に、マネージドサービスのElastic Container Service(ECS)とElastic Kubernetes Service(EKS)をAWS以外の環境でも利用できるようにする「Amazon ECS Anywhere」と「Amazon EKS Anywhere」は早速関心を集めているようだ(リリースは2021年前半の予定)。

 Singh氏は、現在の取り組みにおいて、マイクロサービス関連では導入展開や管理のしやすさを重視し、コンテナー関連ではより本質的なサービスに注力していると説明する。

 前者に関しては、コンテナーとサーバーレスの環境を自動的に展開、管理するフルマネージドサービス「AWS Proton」を発表した。標準化されたテンプレートを利用してプラットフォームエンジニアが大規模環境を構築、運用する際の負荷を軽減し、継続的なインテグレーション/継続的なデリバリー(CI/CD)による構成を維持しながら、アプリケーション開発者に対して稼働環境を柔軟かつ迅速に提供できるようにするという。

 「AWS Protonは、マイクロサービス環境に向けた最初のプラットフォーム的なサービスだ。まだ初期段階にあるが、多くのユーザーに利用してもらい、自動化を生かしたプラットフォームとして普及してほしいと考えている」(Singh氏)

AWS Protonは、マイクロサービス環境の最初の統合的な管理プラットフォームと位置付ける
AWS Protonは、マイクロサービス環境の最初の統合的な管理プラットフォームと位置付ける

 一方で後者の目玉となるECS AnywhereとEKS Anywhereは、同社がマネージドサービスで提供している機能やツールをソフトウェアパッケージ化し、ユーザーは自社のデータセンターなどに導入して利用できる。「従来のECSとEKSは、クラウドと(オンプレミス寄りの)OutpostsやWavelengthで利用するものだったが、ECSやEKSのユーザー体験をユーザー自身のデータセンターでも実現する」とSingh氏はいう。ただ、基本的に運用はユーザー自身で行うものになるという。

AWSのコンテナー環境をユーザーのデータセンターに展開するAmazon ECS Anywhere
AWSのコンテナー環境をユーザーのデータセンターに展開するAmazon ECS Anywhere

 EKS Anywhereについては、まずインストーラーとコマンドラインインターフェース(CLI)が提供される。ユーザーは、CLIでKubernetesクラスターを作成し、EKS Anywhereの構成が指定される。KubernetesクラスターはGitOpsで運用管理していくとのことだが、Singh氏によれば、ダッシュボードを提供することで、複数のKubernetesクラスターの管理を容易にしていく考えだ。

 加えて、EKSで使用しているKubernetesのAWSのディスリビューション「Amazon EKS Distro」をオープンソース化し、GitHubで公開した。CoreDNSや Container Storage Interface(CNI)コアバイナリー、CSI Sidecarコンテナーと最新セキュリティパッチのビルドやコードが提供されるという。

AWSのKubernetes環境をユーザーのデータセンターに展開するAmazon EKS Anywhere。中核部分のEKS Distroがオープンソース化された
AWSのKubernetes環境をユーザーのデータセンターに展開するAmazon EKS Anywhere。中核部分のEKS Distroがオープンソース化された

 EKS Distroのオープンソース化の狙いは、コミュニティーサポートが終了した後でもユーザーがKubernetesのディスリビューションを安心して利用できるようにするためだという。「Kubernetesは進化が早く、アップストリームのサポートが終了してもユーザーが安全に利用し続けるように強固にサポートするわれわれのコミットだと理解していただきたい」とSingh氏。

 ただし、Kubernetesの開発スピードは今なお早いため、「サポート期間は年単位ということはなく、6~12カ月ほどになるだろう」(Singh氏)としている。

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