この結果は割合こそ異なれど、データ収集による今後の取り組み目標と大差はない。田島氏は全体の調査を俯瞰しつつ、「AI(人工知能)やオムニチャネル化の需要が高い」と状況を説明する。
収拾するデータの中でも優先度が高いのは、「CRM(顧客関係管理)データ(52.6%)」「ウェブサイトの行動履歴データ(39.3%)」「ウェブサイトの問い合わせデータ(35.7%)」が上位に並んだ。
これを年商2000億円以上企業に限定すると、全体で7位に入った「メール登録者データや配信データ(33.4%)」が3位にランクインしている。データ管理に関わる課題について問うと、「組織間の連携や部門間調整(39.7%)」「各種技術に対する専門知識や人材(34.9%)」「戦略立案や中期的なロードマップの作成(31.3%)」が並ぶ。
「進捗は部分連携。広範なデータを扱う企業が少ない。統合連携はCRMやウェブ、メールを重視している。他方で大企業は技術に対する人材不足が顕著。マーケティング技術やデータ連携を担う人材がいない。ただ、予算確保は課題にならず、投資は継続されている」(田島氏)
冒頭で述べたCDPの認知度だが、「詳しく理解している」と回答した割合は2%。「ある程度理解している(14%)」「なんとなくしか理解していない(25%)」「名称は知っているが、内容までは理解していない(23%)」「知らない(36%)」と散々な結果に。
この調査結果を前述した熟成度(段階)として、データ統合基盤を用意するも活用に至っていない3段階目以降に照らし合わせると、「ある程度理解している(27%)」「なんとなくしか理解していない(20%)」「名称は知っているが、内容までは理解していない(36%)」と変化する。
企業のCDPに対する投資額を見ると、100万~1000万円が最も多い42%、「想像が付かない」との回答した26%が続く。活用するツールはGoogleが44.1%、Amazon Web Services(AWS)が25.4%、Oracle Databaseが16.5%。だが、注目すべきは「利用していない」と回答した31.6%。年商2000億円以上の企業でも17.6%におよび、企業のデータ活用に対する温度差が見え隠れした。
なお、データ可視化に用いるアプリケーションは、Google Data Portal(11.8%)、Tableau(8.8%)、Power BI(8.8%)がランクインし、未使用率は52.5%におよんだ。田島氏は「企業は顧客需要を見極めたい。(調査結果は)顧客の姿が見えにくいことを如実に現している」と調査結果についてコメントし、顧客データが利益につながるのは早計だと説明した。
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