アンダーワークスは2月1日、マーケティングデータマネジメントの調査結果について説明会を開催した。この調査は2020年12月1~25日、同社から委託を受けた日経BPコンサルティングが東京証券取引所に上場している企業の本部長や事業部長などを対象に実施し、272社から回答を得た。
同調査では、上場企業の約9割がマーケティングにデータマネジメントが重要だと認識し、4割以上が取り組みに着手している一方、多くの企業が部分的なデータ連携や活用にとどまっており、組織や専門人材に課題を抱えているといったことが明らかになった。
まず、「マーケティングにデータマネジメントは重要か」という質問では、回答企業の53%が「非常に重要である」、34%が「重要である」とした(図1)。一方、データマネジメントを重視する割合は業界によって大きな差が見られた。コンピューター製造業は100%、通信業は83%が「非常に重要」と答えたのに対し、建設業は21%、不動産業は39%にとどまった。
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また、回答企業の45%が既にデータマネジメントに取り組んでおり、25%が今後1年以内に取り組む予定だとした(図2)。BtoC(対消費者向けビジネス)の企業や大手企業に限定すると、取り組みを始めている企業の割合はより高く、BtoC企業は53%、大手企業は62%に上る。
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一方、8割以上の企業が多くのデータを連携する段階には進めておらず、部分的な連携にとどまっていると分かった。アンダーワークスはデータの統合と活用度をステージ0(マーケティングデータを全く収集できていない状態)から、ステージ6(全てのデータを統合基盤に集約し、分析や施策への活用に加え、人工知能(AI)やIoTなどの取り組みまでできている状態)までの7段階に分類した。
その結果、ステージ2(部分的にはデータを連携させているが、多くは統合管理されていない状態)に位置していると回答した企業が53.7%と最も多かった(図3)。そして8割以上の企業がステージ2以下で足踏みしており、このことからステージ2(部分的な連携)とステージ3(多くのデータが統合管理基盤に集約)の間には、大きな壁が存在していると考えられる。
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企業が保有するマーケティングデータの種類は平均6.4種類で、データのタイプは「ウェブサイトからの問い合わせデータ」が62.9%、「営業担当者の商談管理や顧客応対データ」が50%、「名刺データ」が48.5%、「Eメールの登録者や配信のデータ」が45.6%、「ウェブサイトの行動ログデータ」が45.2%となっている。
一方、年商5000億円以上の企業の場合、平均9種類以上を保有しており、そのうち4割以上が10種類以上持っているという。またデータのタイプにも違いが見られ、「外部から購入する企業データ」(67.6%)や「コールセンターの応対データ」(52.9%)の割合が全体の調査と比べて高い。このことから、大手企業はウェブ以外の接点でもデータを保有している傾向があると分かる。