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Denodo創設者が語るデータ仮想化の今後--コロナ禍で「質の良いデータ」がより重要に

渡邉利和

2021-03-31 11:00

 Denodo Technologiesは3月24日、報道機関向けの事業戦略説明会を開催した。米国本社の創設者で最高経営責任者(CEO)のAngel Viña氏は、同社が「データ仮想化に特化した製品を展開しており、データ仮想化市場では最も古くから事業を行っている」と強調した。

 Viña氏によると、同社はさまざまな市場調査で業界リーダーの地位に位置付けられている。データ仮想化技術は既に成熟期に入っており、企業から積極的な投資対象とみられているという。

 事業戦略では、データ統合とデータ管理の分野で優位性を維持していくとし、データ仮想化技術の研究開発に向けて大規模な投資を継続する。PaaS/SaaSの製品展開によってクラウドでの利用を拡大する方針も示した。製品については、小規模導入が可能な「Denodo Standard」を提供する。

米Denodo Technologiesの創設者でCEOのAngel Vina氏
米Denodo Technologiesの創設者でCEOのAngel Viña氏

 以下は、筆者がViña氏に追加で質問した内容とその回答になる。

--Denodoから見て、コロナ禍で市場にどのような変化があったか。データ仮想化へのニーズが急速に高まった特定の産業分野やユースケースなどはあるか。

 コロナ禍の影響を受けた2020年は確かにDenodoにとっても厳しい年だったといえる。事前の業績予測との比較では、10%ほど予測を下回る結果に終わった。ただし、これはあくまでも予測を下回ったということであり、事業の成長率は50%を超える目覚ましい結果で素晴らしい年だった。あくまでも、予測はさらに高い水準だったということだ。一方、コロナ禍の影響としては、リアルのイベントなどを開催できなくなったことで、新規の顧客開拓などが思うようにできなかったのは確かだ。

 顧客企業の産業別の傾向としては、やはりホテル/宿泊業や航空/輸送、観光関連などが大きな影響を受けた一方、金融、保険、通信、各種製造業など、比較的軽微な影響にとどまった産業もある。Denodoの視点から見ると、ヘルスケア、創薬、ライフサイエンスといった産業では既存顧客の導入規模の拡大や新規顧客の獲得などがあり、データ仮想化の活用に関して活況であったといえる。

 コロナ禍のような状況下では、「質の良いデータ」「質の良い情報」を収集して分析し、行動に生かしていく必要性がこれまで以上に高まった。質の良いデータとは、「異なるさまざまなソースからリアルタイムで得られ、タイムリーなデータ」を意味する。こうしたデータが意思決定に有用であり、Denodoの強みが発揮できる状況だ。

--データ仮想化の分野で今後どのような技術面のイノベーションが予想されるか。

 データ仮想化というアイデアの中核となるのは「データの分断化を解決する」ことだ。そのために、データ仮想化では論理的に統合されたデータシステムを構築している。これまでのイノベーションは「より容易なデータアクセス」「より容易なデータ統合」「タイムリーなデータ提供」を実現する、という目標が掲げられてきたが、これらは現時点でおおむね達成されたといっていいだろう。そこで、現在の技術開発ではこれらの3点に加え、新たな機能を追加しようとしている。

 まずは「ガバナンス」の追加だ。提供するデータを完全に制御できるようにするガバナンスの実現が、現在の研究開発の重要な取り組みの一つになっている。次に「セルフサービス」の実現にも取り組んでいる。これは、ビジネスユーザーが自分でやりたいことができるようにするものだ。Denodoでは、さまざまなインターフェースの開発に取り組んでおり、技術的なスキルのない人でもデータレポジトリーにアクセスし、そこで自分がやりたいことができるように支援することを考えている。

 3番目のイノベーションの柱となるのが「クラウド」だ。マルチクラウド環境で論理データファブリックを展開できるようになっているが、さらにこうしたマルチクラウド環境でどのようにしてデータ資産/データリポジトリーを管理していくかを考えていく必要がある。この領域も現在のDenodoの研究開発における注力分野の一つとなっている。

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