「Gmail」の受信トレイにブランドのロゴが表示されるようになった人もいるかもしれない。これは、「Brand Indicators for Message Identification」(BIMI)を作ったAuthIndicatorsワーキンググループとGoogleの間で新たに結ばれた合意が反映されたものだ。
BIMIの開発者は、この技術について「対応している電子メールクライアント内で、ブランドが管理しているロゴの使用を可能にする電子メール仕様」だと説明している。
BIMIは、電子メールの送信ドメイン認証技術であるDMARCを利用している企業が、顧客の受信トレイでブランドロゴを表示できるようにするために作られた。この技術を開発したのは、電子メールに認証技術を導入することによって、ユーザーのセキュリティを強化するための活動をしている企業によって構成されている委員会だ。
BIMIの開発には、Google、Mailchimp、Fastmail、Proofpoint、Twilio SendGrid、Validity、Valimail、Verizon Mediaなどの企業が関わっている。
AuthIndicatorsワーキンググループの議長を務めるValimailの最高製品責任者Seth Blank氏は、同社の従業員はBIMI標準の創設、名前の決定、リソース提供を担ったと述べている。
「私たちは、Valimailが設立された2015年からBIMIを積極的に支えてきた。BIMIはどの立場の人にとってもエコシステムを改善することを目的としている。各ブランドにとっては、ロゴ入りの電子メールを世界中の何十億もの受信トレイに届けることができ、それらのメッセージによって顧客エンゲージメントを高め、ブランドへの信頼を向上させることができる」
同氏は、BIMIはセキュリティ面でメリットがあることに加えて、企業が電子メールやニュースレター、受信者、オファーの内容などに応じてロゴをカスタマイズすることもできると説明した。
米「Yahoo Mail」では既にBIMIを利用することができたが、今後はGmailのユーザーもこの技術の恩恵を受けられる。これによってBIMIの利用者は大きく拡大し、Gmail、AOL、Yahoo Mail、Fastmailの20億件を超えるアカウントで利用できるようになる。
BIMIは、企業に「受信トレイで認証されたメッセージに送信者が指定したロゴを表示するための安全でグローバルなフレームワーク」を提供するだけでなく、ロゴを勝手に使って他の企業になりすます行為も防ぐことができる。BIMIの開発者によれば、このシステムを利用している企業では、顧客エンゲージメントが平均10%向上しているという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。