IBMは、同社が提供するオープンソースの「Cloud-Native Toolkit」に新たなツールキットを追加して、開発者がAI/ML(人工知能/機械学習)アプリケーションを「クラウドネイティブな環境に統合し、拡張性と信頼性に優れた展開を最適化できるようにした」と発表した。
IBMのCenter for Open-Source Data and AI Technologies(CODAIT)のチームのメンバーであるSaishruthi Swaminathan氏、Carlos Santana氏、Sepideh Seifzadeh氏らは、クラウド環境にAI/ML技術を統合して運用する必要性が増していると、ブログ記事でこの取り組みについて説明した。
同チームは2020年に、「Elyra AI」ツールキットを発表しており、今回のリリースはCloud-Native Toolkit内で提供する、機械学習向けのエンドツーエンドのパイプラインスターターキットになる。
「開発者はこの新しいツールキットを出発点に、オープンソースや『Red Hat OpenShift』などの重要なハイブリッドクラウド機能を使用して、AI/MLを活用したアプリケーションを『Jupyter Notebook』から本番環境へと移行させることができる」とIBMのチームは述べている。
「ルールに沿うようなアプローチとツールを提供して適切に実行し、ビジネス価値を最大限に高めるようにすることで、開発者やデータサイエンティストがプロジェクトの開発、展開、革新を加速できるようにする」
このキットは、クラウド移行に伴うさまざまなコンポーネントやタスクによって、開発者が「行き詰まる」ことがないようにし、時間の節約につながるとしている。
またチームは、開発者がコグニティブチャットボットや自動翻訳などのツールに取り組んでいる際に、AI/ML技術をクラウド環境に統合するのが一般的になりつつあると指摘した。マイクロサービスの利用もテクノロジーの統合を促している。
「このスターターキットは、オープンソースの資産を集めたIBMのCloud-Native Toolkitの一部となる。Cloud-Native Toolkitは、Red Hat OpenShiftやKubernetes内で展開するクラウドネイティブなアプリケーションを開発するための環境を提供している」(同チーム)
「これらのスターターキットは、AI搭載アプリケーションを事業化・産業化し、オープンソースとRed Hat OpenShift技術を使用して、本番環境に対応させるための優れた出発点になる。このスターターキットは、自己主張的なアプローチとツールのセットにより開発、展開、革新を加速できる」(同チーム)
IBMによると、データサイエンティストと開発者はツールキットを利用でき、「MAX Framework」を使用して、学習モデルをマイクロサービスとして作成する必要があるという。
ユーザーはその後、「継続的インテグレーション(Jenkins/Tekton CI)と継続的デリバリー(Argo CD)、コード分析(SonarQube)、ロギング(logDNA/sysdig)、APIサポート(support)、ヘルスチェックを行い、Red Hat OpenShift上で構築と展開を行う」としている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。