Intelは米国時間7月26日、今後4年以内に半導体製造トップの座を取り戻すことを目指し、さまざまな新技術の開発ロードマップを発表した。この計画は、新たに最高経営責任者(CEO)に就任したPat Gelsinger氏の意向も反映しており、同氏はエンジニアリングにおけるIntelの優越性と信頼性の回復を約束している。
提供:Intel; illustration by Stephen Shankland/CNET
このロードマップには、バッテリー持続時間を左右するチップの消費電力を改善し、同時にチップのパフォーマンスを向上させるための新たな取り組みが含まれる。これらの技術では、プロセッサーの構成に関して大がかりな再設計がなされる。
そうした技術の1つ「RibbonFET」では、すべてのプロセッサーの心臓部にあたるトランジスター回路の設計を根本的に見直す。もう1つの技術「PowerVia」では、電源をトランジスターに供給する方法に変更を加える。さらにIntelは、さまざまなチップのコンポーネントを積層して処理能力を高めるパッケージング技術「Foveros」をアップデートする。
Intelがオンラインの報道向けイベントで発表したこれらの取り組みは、実現すればノートPCの高速化とバッテリー持続時間の延長をもたらす。加えて、クラウドコンピューティング企業の人工知能(AI)技術などを向上させ、携帯通信ネットワークにおけるサービス高速化にもつながる可能性がある。
「2025年には、パフォーマンスにおける首位を取り戻せるだろう」と、2021年に入ってIntelに復帰し、プロセッサー技術開発を率いるSanjay Natarajan氏は述べた。
苦戦中といえども、Intelは大きな収益を上げている。22日には、2021年第2四半期の売上高が196億ドル(約2兆1600億円)、純利益が51億ドル(約5630億円)だったと発表した。Gelsinger氏の指揮下で、同社は長期的な成長を視野に研究開発への投資を増やしている。
Intelは26日、製造プロセスの進化における各ノードの命名法を変えることも明らかにした。従来のナノメートル(nm)ベースの命名ではなく、他のチップファウンドリーの命名法に沿うとともに、Intelの計画を明確化するものだという。例えば、これまで「Enhanced SuperFin」と呼ばれていた10nmの製品は「Intel 7」となり、7nmの製品は「Intel 4」となる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。