"グーグル品質"の検索機能を小売業に--Google Cloudが「Retail Search」発表

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-07-28 13:22

 Googleは米国時間7月27日、小売業者が自社のEコマースプラットフォーム全体で商品検索機能を改善できるよう支援する新ツール「Google Cloud Retail Search」を発表した。Google Cloudによると、Retail Searchは、独自のビジネスニーズに合わせてカスタマイズ可能な「Google品質」の検索機能を小売業者に提供するという。

 この1年は、小売業者の成功を左右する年となった。コロナ禍に対応し、デジタルな機能を強化する必要に迫られた。また、小売業者はデジタル分野の超大手Amazonと競争しなければならない。米国のEコマースでAmazonのシェアは2020年、約40%に達しているとの調査結果もある。

 そうした状況の中、「検索の放棄」(search abandonment)は小売業者にとって深刻な課題だとGoogleは述べている。Google Cloudの委託を受け、The Harris Pollが実施した調査によると、「検索の放棄」で小売業者は年間3000億ドル(約33兆円)以上を失っているという。消費者は、探しているものが見つからなければ、ほかの場に移動してしまう。

 Retail Searchの狙いは、Googleによるユーザーの意図とコンテキストの深い理解に基づき、そのような問題に対処することにある。このサービスは、Googleの検索における長年の経験に基づき、顧客の意図を理解し、製品の在庫にマッピングすることで、小売業者のウェブサイトやモバイルアプリで購入の意思をコンバートさせるよう支援する。小売業者はこのツールを使用して、オートコンプリートやパーソナライズされた結果、関連するプロモーションなどの有益な検索体験を構築できる。機械学習ベースの検索結果は、クエリーを実行するたびに精度が向上する。

 Google CloudのグループプロダクトマネージャーSrikanth Belwadi氏は、声明の中で、「質の高い検索結果を提供することは、業界全体の課題だ」と述べている。「従来の検索プラットフォームはキーワードベースだが、Googleによるクエリーの意図のセマンティックな理解や製品のナレッジグラフによって、小売業者は学習ベースの検索で顧客の体験を劇的に向上させることができる。Retail Searchは、顧客が求めているものをより早く入手できるよう支援することで、コンバージョン率と消費者の幸福度を高める」と述べた。

 Macy'sはすでに試験的な運用を実施し、Retail Searchを利用している。同社によると、クリックスルー率や訪問者あたりの売り上げ(RPV)が向上したという。Macy'sのプロダクトマネジメントおよび検索担当ディレクターJilberto Soto氏は、声明の中で、「顧客のニーズを理解し、シームレスに結果を提示できるようにすることは、楽しいショッピング体験を提供する上で重要だ」と述べている。

 Retail Searchは、Googleの「小売業向け商品検索ソリューション」の一部となるフルマネージドサービスだ。このソリューションは、小売業がコマース機能を強化し、パーソナライズされた顧客体験を提供できるよう支援するスイートだ。

 Google Cloudの最高経営責任者(CEO)Thomas Kurian氏が約2年前に就任して以来、Google Cloudは業界別のセールスアプローチを重視してきた。小売業は、成長の鍵を握ると位置付けた6つの業界の1つだ。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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