中小企業向け生命保険を手がけるエヌエヌ生命保険は、2022年に生命保険の引受査定業務を人工知能(AI)で自動化する「ストレート・スルー・プロセッシング」を導入すると発表した。この開発をDataRobotが支援した。
エヌエヌ生命は、これまで生命保険への加入を希望する顧客の医務査定について、顧客の健康診断結果や人間ドック成績表などの医務書類を営業担当者が郵送で受け付け、本社の事務担当者が項目ごとに目視確認と手作業で情報をデータ入力していた。しかし、1帳票当たり30項目以上を目視確認しなければならず、医務書類の形式も医療機関ごとに異なることから、手続の迅速化する上でボトルネックになっていたという。
ストレート・スルー・プロセッシングでは、シナモンのソリューションでAI-OCR(AI技術を活用した光学文字認識)によって帳票の情報の読み取りとデータ入力を自動化し、機械学習とAI査定についてはDataRobotの技術を採用。DataRobotは、プラットフォームに加えて、エヌエヌ生命におけるAI戦略策定や次世代プラットフォーム構想を支援する「AIサクセスプログラム」も提供する。
ストレート・スルー・プロセッシングのイメージ(出典:エヌエヌ生命保険)
エヌエヌ生命は、既にAI-OCRの導入の決定と機械学習による引受リスクの予測モデルの構築について概念実証を完了している。本番導入により、査定完了に要する時間をこれまで平均2~3営業日から引き受けリスクの程度に応じて最短で3分以内に短縮する。