セラミックス製品を手掛ける日本特殊陶業は、生産設備の稼動率改善を図るためのIoT基盤のデータ活用に当たり、ウイングアーク1stのデータ分析基盤「Dr.Sum」とダッシュボードツール「MotionBoard」を導入した。
3月に本格稼動を開始し、データをMotionBoardでリアルタイムに可視化できるようになった。またDr.Sumで詳細を分析できる環境が整ったことで、問題が発生した際にその原因の特定と改善がしやすくなり、生産設備の稼動効率が改善された。
ダッシュボード画面
生産現場ではMotionBoardのダッシュボードが工場モニターに表示されている。詳細な分析が必要なときはDr.Sumの集計レポーティングツール「Dr.Sum Datalizer」を用いてデータを深堀りする。
各種データを見ながら現場の管理職と担当者が原因を把握しやすくなったことで、精度の高い業務改善が可能になった。Excel上で作業する仕組みとなっており、操作方法を継続的に説明したことで、現在では導入部門全体の約70%が利用しているという。
日本特殊陶業では、工場のIoT化を推進してきた。しかし、IoT機器を導入して各種生産設備から情報を取得しているものの、データの収集と加工に時間がかかり、そのデータの活用や分析が十分に行われていなかった。そのため、問題が発生した際にその原因の詳細を把握しにくいことが課題となっていた。
今後、データ取得の規格を標準化して、他の部署や海外拠点にもDr.SumとMotionBoardの導入を検討している。また品質系のデータや機器保全のデータの活用も視野に入れており、スマートファクトリー化の実現に向けた積極的な取り組みを展開していく予定だ。