スウェーデンの通信機器大手Ericssonは、VoIPおよびB2B通信サービスのVonageを約62億ドル(約7100億円)で買収することで合意した。
Ericssonのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)Börje Ekholm氏によると、この買収は戦略的な優先事項を実現するための「次のステップ」だという。「最大のグローバルなイノベーションプラットフォームである5Gのパワーと特性を開発者が簡単に利用できるように」したい考えだ。
VonageはVoIP企業として最もよく知られているが、Ericssonの関心は主に、クラウドベースの「Vonage Communications Platform」(VCP)に向けられているようだ。VCPは現在、12万を超える顧客にサービスを提供しており、Vonageの売上高の80%超を占めているとEricssonは述べている。
Ericssonは2020年、エッジネットワーキング企業Cradlepointを買収している。Vonageの買収とともに、今後EricssonがCPaaS(Communications Platform as a Service)分野で存在感を高めることにつながるだろう。
Ericssonの予測によると、CPaaS市場は2025年までに220億ドル(約2兆5000億円)規模に達する。また、Ericssonは買収による短期的な売上のシナジー効果を見込んでおり、2025年までに4億ドル(約460億円)寄与することに期待できるとしている。
長期的には、EricssonとVonageの「相補的なソリューション」をベースに、オープンなネットワークのイノベーションのためのグローバルなプラットフォームを創出し、通信事業者、開発者、企業などの全体的なエコシステムにメリットをもたらす価値を提供したい考えだとしている。
買収取引は、Vonageの取締役会で全会一致で承認されている。株主や関連する規制当局の承認を得て、2022年前半に完了する見通しだ。買収完了後、Vonageは現在の社名でEricssonの完全子会社として運営される。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。