NECと北原病院グループの医療法人社団KNIは、人工知能(AI)技術を活用して患者に最適なリハビリテーション介入プログラムを作成する技術実証を北原リハビリテーション病院で行った。
この実証は、NEC独自のAI技術「模倣学習技術」を用いて支援することで、経験の浅いスタッフが行うリハビリ介入プログラム作成業務の正確性が46%向上することを確認した。模倣学習技術は、熟練者のデータが少ない場合でも、非熟練者のデータを活用することで、熟練者の行動を効率的に学習し、熟練者の経験に即した行動を再現可能にするという。
今回の取り組みでは、特に退院までに機能的自立度評価(FIM)の改善が見られた事例を真似るべき熟練者のデータとし、それ以外の事例を非熟練者のデータとして、同時に学習させた。これにより効果の高いリハビリ介入プログラムの候補を出力する高精度な学習モデルを生成することができたという。
リハビリ介入プログラム作成に関する技術実証の様子(イメージ)
模倣学習技術により出力したリハビリ介入プログラム(イメージ)
リハビリ計画作成業務は、「患者の回復度の予測」「リハビリ目標の設定」「リハビリ介入プログラム作成」の3つのプロセスがあり、今回はリハビリ介入プログラム作成に着目し、AI技術を活用した業務負荷の軽減について検証した。
具体的には、北原リハビリテーション病院に蓄積されているリハビリ介入プログラムの実施事例データベースに、熟練者の経験に即した行動を学習して再現する模倣学習技術を適用して回復効果が高かった、リハビリ介入プログラムの実施事例を模倣したりする。これにより患者一人ひとりの状態に最適と思われるリハビリ介入プログラムの候補を表示した。
NECは、同技術を活用することで経験の浅いスタッフが作成するリハビリ計画の質が向上し、指導するベテランスタッフの業務負荷を軽減することが期待できるとしている。