伊藤園と富士通、AI画像解析で茶葉の摘採時期を判断する技術開発

NO BUDGET

2022-05-12 17:09

 伊藤園と富士通は、人工知能(AI)を活用した画像解析により茶葉(茶芽)の摘採時期を判断する技術を共同開発し、伊藤園が展開する茶産地育成事業の契約産地で試験運用を開始した。富士通が発表した。

 同技術により、茶畑で茶葉をスマートフォンで撮影するだけでアミノ酸量と繊維量を推定でき、茶葉の摘採時期を簡単に判断することが可能になるという。

利用イメージ
利用イメージ

 なお同技術は、摘採前の茶葉の画像からアミノ酸量や繊維量などを推定する画像認識アルゴリズムをベースにしており、富士通鹿児島インフォネットの保有する画像解析技術と富士通のAIの機械学習を活用している。伊藤園は画像から推定するアミノ酸量と繊維量による品質と収穫量の関係性など茶栽培に関する知見を提供している。

 富士通鹿児島インフォネットの保有する画像解析技術は、畑で撮影された作物の画像を、日時、場所、生育段階といった情報を基に整理し、ディープラーニングで特徴と作物の成分値を組み合わせた推定モデルを作成する。さらにHSV(H:色彩、S:明度、V:彩度)の観点で、チューニングなど推定値の精度向上させる手法TTA(Test-Time Augmentation)を用いて解析する。

 画像認識アルゴリズムの開発に際しては、約2年をかけて契約産地の一部で撮影した約4000枚の茶葉の画像を基に、色味調整など加工を施した合計約8500枚の画像を用いてAI学習を行った。この画像認識アルゴリズムの正確性や実用性を検証するため、2022年の新茶摘採から撮影対象地域などを拡大して現場実証による試験運用を行い、2023年から契約産地での本格展開を目指す。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  2. セキュリティ

    最も警戒すべきセキュリティ脅威「ランサムウェア」対策として知っておくべきこと

  3. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  4. セキュリティ

    「どこから手を付ければよいかわからない」が約半数--セキュリティ運用の自動化導入に向けた実践ガイド

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]