IBMは、攻撃者側の視点から企業の弱点を調べるサービスを提供するセキュリティ企業Randoriを買収すると発表した。IBMはこの買収によって、脅威の検知と対応を支援する同社の製品ポートフォリオを強化する。買収に関する情報が公開されたのは米国時間6月6日のことで、買収条件の詳細は明らかにされていない。
Randoriは2018年に設立した企業で、共同創業者のBrian Hazzard氏が最高経営責任者(CEO)を務めている。同社は、自らを攻撃対象領域管理とオフェンシブセキュリティの分野をリードする企業とし、顧客に対して「信頼できる敵」としての役割を果たしている。
Randoriはこれまでに3000万ドル以上の資金を獲得しており、Meijer、Greenhill、FirstBankなどの有名企業を顧客に抱えている。
RSAC 2022のカンファレンスで発表されたこの買収は、IBMのハイブリッドクラウド戦略の強化を目的としたものだ。
サイバーセキュリティは、エンドポイントの保護やシグネチャに基づくウイルス検出にとどまらない。大企業での情報漏えいやセキュリティインシデントのニュースを耳にしない週はない現在、企業が直面している脅威を軽減するには、防御と攻撃双方の専門知識が必要とされている。
Randoriは、企業のセキュリティチームがサイバー攻撃グループに悪用される前に問題へ対処できるように、脅威アクターの立場から企業のネットワークやデバイスを分析して、穴や弱点を探し出す。
Randoriの買収は、IBMが最近、エンドポイントセキュリティ企業であるReaQtaを買収したことを踏まえたものだ。ReaQtaは、IBMが力を入れているAI技術を利用して、脅威アクターから存在を検出されるのを避けながら、自動的に脅威を識別して管理するセキュリティプラットフォームを提供していた。
ReaQtaの買収は、IBMのXDR(Extended Detection and Response)製品である「QRader XDR」のリリースに繋がった。Randoriのソフトウェアも、買収完了後にQRadarに統合される予定になっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。