Intelの最高経営責任者(CEO)であるPat Gelsinger氏は、カンファレンス「Intel Innovation 22」で米国時間9月27日に行った基調講演のあと、記者やアナリストを集めたセッションで、これからの世界経済の見通しについて語った。
Gelsinger氏は、「人類の未来にとって最も重要な要素が半導体だ」と述べた。「この50年間の地政学を決定づけてきたのは石油埋蔵量だったが、これからの50年間は、ファブやテクノロジーのサプライチェーンの方が重要になる。今後はそれを望ましいところに作るべきだし、そうしたことについて考えるべきだ」
自画自賛のようにも聞こえるが、この主張には少なからず真実が含まれている。消費者の交通手段や産業向け輸送手段は今後、電力を使用した移動手段に移っていくと考えられており、化石燃料が多くの業界で急速に忌避されるようになっている一方、これまでの数十年間がそうだったように、半導体で作られたデータプロセッサーを使用した技術が、今後ますます人間の営みを前に進める動力としての役割を強めていくことは明らかだ。
サンノゼ・マケナリー・コンベンション・センターで開催され、対面で約1000人、オンラインで数千人が参加したこのイベントは28日に閉幕した。このイベントでは、Intelのハードウェア、ソフトウェア、パートナーシップ、ユースケース、将来計画、製品ロードマップなどに関する最新情報が多数発表された。
主な内容は以下の通りだ。
- Intelは、最新のハイエンドCPUである第13世代「Core i9」プロセッサーを発表した。ターゲットはゲーム市場およびコンテンツクリエイター市場だ。このプロセッサーは、最大24コア(Pコア8個、Eコア16個)、32スレッドで、最大5.8GHzのシングルスレッド性能を持っている。別の言い方をすれば、(あらゆるテクノロジーカンファレンスで言われることだが)より高速で、より強力になり、従来よりも良くなるということだ。
- Intelは、これまでハードウェアに携わってこなかったあらゆる種類の開発者を引きつけるために、あらゆる手を打っている。同社は、新しくなった「Developer Cloud」で、将来提供する予定の新しいハードウェアを直ちに提供し、発売前に開発やテストに使用できるようにする。これには例えば、第4世代の「Xeon Scalable」プロセッサー(Sapphire Rapids)や、Intelのデータセンタ向けGPUが含まれる。
- この日、企業がより簡単にコンピュータービジョンAIを開発し、展開することを可能にするIntelの新プラットフォームである「Geti」が発表された。Gelsinger氏は、いずれは同社の幅広い製品ラインすべてにAI機能を導入する予定だと述べている。