ソフトウェア開発者が利用するさまざまなプログラミング言語の人気を追跡してそのランキングを毎月発表している、ソフトウェア品質テスト会社TIOBE Softwareによると、2022年に最も人気が上昇したプログラミング言語は「C++」だという。
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2023年1月の人気ランキングでC++は第3位だったものの、2022年における人気上昇率では他の言語を上回り、2022年1月のランキングと比べて4.62ポイント上昇したという。
2022年1月からの人気上昇率を見た場合、第2位は「C」(3.82ポイント増)、第3位は2023年1月のトップを飾っている「Python」(2.78ポイント増)だった。また、「Java」は第3位から第4位(1.55ポイント増)に順位を下げた。
TIOBEの最高経営責任者(CEO)Paul Jansen氏は、「C++が人気となっている理由は、高水準なオブジェクト指向言語でありながら、極めて高いパフォーマンスを有しているところにある。このためC++を用いることで、高速に動作する(数百万行におよぶ)大規模なソフトウェアシステムを、メンテナンスの悪夢に悩まされることなく開発できる」と記している。
同氏はまた、C++の人気が伸びた理由として、2020年12月にリリースされた改訂版「C++20」を挙げている。これは国際標準化機構(ISO)によって規格化された同言語の最新版で、モジュールなどの興味深い機能が導入されている。C++はデンマークのコンピューター科学者Bjarne Stroustrup氏によって1985年に生み出された。
C++は「Google Chrome」を開発する際の主言語であり、「Androidオープンソースプロジェクト」ではCとともに主要言語に位置付けられている。またシステムプログラミング言語としても活用されており、自動車や金融業界、ゲーム開発業界で普及している。
Jansen氏は「TIOBE Index」で見た場合、C++は、1998年以降で最も大きく変更した2011年の「C++11」規格リリースによって人気が高まったと指摘している。
同氏は「この新規格(C++11)が普及するまでには数年を要した。というのもこの新たな言語定義をサポートするコンパイラーが当時は利用できなかったためだ。しかし、2001年以降TIOBE Indexで人気が下がる一方だった同言語は、C++11のおかげで徐々に支持を得ていった。そして2度目の大きな出来事がC++20のリリースだ」と記している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。