Microsoft傘下のGitHubが発表した「Octoverse 2022」レポートによると、GitHub上のプロジェクトで最もよく用いられているプログラミング言語の上位はJavaScript、Python、Java、TypeScript 、C#となっているという。
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GitHubによる2022年のプログラミング言語ランキングは、前年と比べてほとんど変化がなかった。例外は、2021年に6位だったPHPと7位だった低水準言語のC++の順位が入れ替わったことだ。8~10位はShell、C、Rubyとなっている。
しかし最も成長が著しい言語は、前年から56.1%の成長を見せたHashicorp Configuration Language(HCL)と、50.5%の成長率となっているRustだ。また、37.8%というTypeScriptの成長も見逃せない。さらにLuaやGo、Shell、Makefile、C、Kotlin、Pythonも大きく成長した言語として挙げられている。
GitHubは、GoogleによってメンテナンスされているGoの成長が、クラウドの発展や、「Docker」や「Kubernetes」といったプロジェクトの伸びによるものだとしている。また、「Android」向けモバイルアプリの開発という分野でKotlinの成長がうかがえる。Kotlinは、GoogleがAndroid向けアプリの開発でJavaからの置き換えを推奨している言語だ。
GitHubのランキングは、GitHubのプロジェクトとStackOverflowでのディスカッションに基づいているRedMonkの最新インデックスとは少し順位が異なっている。RedMonkの上位10言語はJavaScript、Python、Java、PHP、C#、CSS、C++、TypeScript、Ruby、C、Swiftとなっており、Rustは19位につけている。
ただGitHubのランキングで注目すべきは、同リポジトリー上で利用が大きく伸びている言語の中にJavaが入っていない点にある。とはいえ、JavaはGitHub上では上位3言語という地位を堅持しており、TIOBE Indexでも3位にランキングされている。
貢献者数という観点で1位を獲得したオープンソースプロジェクトは、Microsoftのクロスプラットフォーム対応コードエディター「VS Code」であり、その貢献者数は1万9800人だという。その後にはオープンソースのホームオートメーションプラットフォームである「Home Assistant」が続いている。Paulus Schoutsen氏が生み出したこのプラットフォームは1万3500人の貢献者を抱えている。
またその後には、Googleが生み出したユーザーインターフェース(UI)フレームワークである「Flutter」が続いており、貢献者の数は1万2400人に上っている。他にも、Microsoftの「Azure Docs」やVercelの「Next.js」、NixOSによる「Nix」パッケージマネージャー向けのパッケージコレクション、TypeScript、Googleの「Material UI」、機械学習(ML)プラットフォームの「TensorFlow」といった大型プロジェクトも多くの貢献者を抱えている。
全体で見ると、現時点で9400万人の開発者がGitHubを利用して、コードをホスティングしたり、ファイルのプルリクエストやコミットを実行している。同コミュニティーは2022年に2050万人のユーザーを獲得し、27%の成長率を誇っている。また、GitHubによると今や企業の90%がオープンソースを採用しており、Fortune 100企業のうちの90%がGitHubを利用しているという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。