間もなくやってくる経済の長期停滞によって、テクノロジー関連の業務負荷も落ち込むはずだと考えているのであれば、考え直した方がよいだろう。
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Accentureの新たな調査レポート「Total Enterprise Reinvention」(全社レベルでの業務の再発明)によると、北米の企業幹部の73%は、景気が後退したとしても「全社レベルでの業務の再発明」という戦略を加速させていくと答えている。
どのような「全社レベルでの業務の再発明」にもテクノロジーが深く関わるというのはおそらく自明の話だと言えるだろう。つまり、企業のリーダーらが切望している変革を達成するために、テクノロジーに携わるマネージャーやプロフェッショナルはさらに頼られるようになり、膨大な作業を抱える込む結果になることを意味している。具体的には、クラウド化や自動化、業務プロセスにおける人工知能(AI)の導入だ。
では、「全社レベルでの業務の再発明」をビジネス用語で説明するとどういったものになるだろうか。Accentureの会長兼最高経営責任者(CEO)Julie Sweet氏率いる同レポートの執筆陣は、「強固なデジタルコアに軸足を置き、成長の促進と運用の最適化を支援するもの」だと説明している。これは技術的なイニシアチブにおける3つのレイヤーを再発明し、まとめ上げることを意味している。
- インフラおよびセキュリティレイヤー:「自動化とアジリティー、セキュリティを設計レベルで取り込んだモダンなクラウドベースのIT基盤」
- データおよびAIレイヤー:「意思決定に向けた洞察を生み出す、AIを活用したアプリケーションやプラットフォーム」
- アプリケーションおよびプラットフォームレイヤー:「モダナイズされた、新しいカスタムアプリケーションやプラットフォームの構築、あるいはSaaS上でのプラットフォーム移行によって創出された、新たなエクスペリエンスや運用方法が実現される場所」
Accentureは、これらすべてのレイヤーを通じた「相互運用性」の確立に向けた強力なビジネスケースがあるとしている。同社は「高度な相互運用性を有している企業は、そうでない企業よりも売上高の成長速度が6倍速く、年間売上成長率も5ポイント高くなっている」と記している。
ほとんどの企業は、まだこの域には到達していない。調査対象となった1516社のうち、こういった「再発明」を達成したと考えられる企業はわずか8%にとどまっている。それ以外の企業は、テクノロジー主導の再発明に向けた取り組みにおいてさまざまな段階にいるものの、ほぼすべての企業はそのペースを上げる必要があると認識している。同レポートには「かつてテクノロジーはディスラプター(破壊者)という位置付けだった。今ではイネーブラーという位置付けであり、激動の時代において間違いなくその色合いを濃くしている」と記されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。