Microsoftは米国時間4月17日、医療ソフトウェアを手掛けるEpic Systemsとの長期的な戦略的提携を拡大し、生成系人工知能(AI)の開発と医療への導入に取り組むと発表した。OpenAIの大規模言語モデル(LLM)を「Microsoft Azure」上で利用できるサービス「Azure OpenAI Service」とEpic Systemsの電子健康記録(EHR)ソフトウェアと組み合わせることで、これを実現したい考えだ。
Epic Systemsは1979年に創業。米ウィスコンシン州ベローナに本社を置き、3億500万人以上の患者に電子記録を提供している。
今回の協業では、生成系AIを活用する包括的なソリューション群をEpic SystemsのEHRと統合して、生産性の向上や患者ケアの強化、医療システムの財務健全性の改善を目指すという。最初のソリューション群の1つをすでに提供開始しており、ウィスコンシン大学マディソン校のUW Healthなど複数の医療機関が、メッセージへの応答を自動的に作成する機能の導入を進めている。
また、Epic Systemsのセルフサービスレポートツール「SlicerDicer」に自然言語検索とインタラクティブなデータ分析を導入し、会話形式の直観的な方法でデータを検索できるようにするという。
UW Healthの最高情報責任者(CIO)であるChero Goswami氏は、「テクノロジーを有効に活用すれば、人材とワークフローに関連するさまざまなことを簡素化できる。生成系AIを日常のワークフローの一部に統合することで、多くの医療提供者は生産性を高め、真に重要な臨床業務に集中できるようになるだろう」と述べた。