米連邦預金保険公社(FDIC)は、経営危機に陥っていた米銀First Republic Bankの預金と資産をJP Morgan Chase Bankに売却することを明らかにした。
First Republic Bankは、米国時間5月1日に米カリフォルニア州の金融当局によって閉鎖され、FDICの管理下に置かれた。JPMorgan Chase Bankは、競争入札によってFirst Republic Bankの売却先に選ばれ、同行の預金と資産の大半を引き継ぐ。
今回の経営破綻は、米銀としては史上2番目の規模。米銀の経営破綻はこの7週間で3件目で、3月にはSilicon Valley BankとSignature Bankが破綻している。
8つの州に展開していたFirst Republic Bankの84の支店は、JPMorgan Chase Bankの支店として営業を再開する。預金者の預金は保護され、FDICによる預金保険も引き続き受けられる。
JP Morgan Chase Bankは、First Republic Bankの預金920億ドル(約12兆6000億円)のほか、債権約1730億ドル(約24兆円)、証券約300億ドル(約4兆円)など資産の大半を取得する。
JP Morgan Chase BankとFDICは、引き継がれた一戸建て住宅ローンや商業ローンの損失を分担する契約を結んだ。FDICは、債権を民間銀行に委ねることによって、回収される資金が最大化され、ローン顧客への影響を最低限に抑えることができると述べている。預金保険基金が負担するコストが決まるのはFDICの管理が終了した時点だが、現時点では130億ドル程度(約1兆8000億円)になると予想されている。