「ChatGPT」サービスが幅広く普及したおかげもあってか、文明社会から離れて暮らしてでもいない限り、たいていの人は「生成型の人工知能(AI)」という言葉を少なくとも数回は耳にしたことがあるはずだ。AIを活用したこのチャットボットの成功によって、開発元のOpenAIに光が当てられただけでなく、テクノロジー業界におけるAI競争に拍車がかかっている。しかし、Appleはこの競争において影が薄いままだ。
Appleの複合現実(MR)ヘッドセットは2023年に登場すると予想されている。
提供:James Martin/CNET
Googleは5月に入って同社の開発者向け年次カンファレンスで、AIを活用した新たな検索機能や、世界に向けて展開しているAIチャットボット「Bard」を含む数々のAI関連の発表を行った。こうした動きに出ているのはGoogleだけではない。Googleの発表に先立ってMicrosoftは、「Word」や「PowerPoint」「Outlook」といった、長い歴史を持つ同社の生産性スイートに生成型AIの機能を組み込み、10億人を超える人々の仕事の方法を変える動きに出ている。さらに2月には、MetaがChatGPTやBardと同様の能力の多くを有している、洗練された独自のAIモデルを一般利用可能なオープンソースソフトウェアとして公開している。
では、Appleについてはどうだろうか?
簡潔な答え:AIテクノロジーはAppleにとって決して新しいものではないが、「iPhone」のメーカーとして知られる同社は現在の生成型AIブームにおいて、少なくとも表向きは影が薄い状態となっている。
Techsponentialのプレジデント兼アナリストであるAvi Greengart氏は米CNETに「われわれは生成型AIのハイプサイクルの真っ只中におり、毎週のように大きな展開が新たに起きている」と述べるとともに、「Appleには、新たなテクノロジーを自社のエコシステムにどう取り入れるのかを慎重に検討するだけの十分な余裕がある」と述べた。
OpenAIは最近、「iOS」向けのChatGPTアプリを公開した。この新アプリは無料であり、OpenAIのAIチャットボットを出先で利用できるようにしてくれる。
提供:James Martin/米CNET