Zoom Video Communicationsは米国時間9月5日、生成型の人工知能(AI)を搭載したツール「Zoom AI Companion」(旧「Zoom IQ」)を、ビデオ会議サービス「Zoom」の有償プランを選択している顧客に追加コストなしで提供すると発表した。
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同社は、「Zoom Team Chat」や「Zoom Meetings」「Zoom Phone」「Zoom Mail」「Zoom Whiteboard」など、Zoomの各所でこのAIツールを使えるようにすると述べた。同社の発表によると、一部の機能は既に利用可能になっており、その他の機能も向こう数カ月のうちに提供されるという。
Zoomで最も有名な機能といえば間違いなく、会議で用いるビデオチャット機能だろう。AI Companionの新機能の中には、Zoom会議に途中から参加した際にサイドパネル上でAIとやり取りすることで、迅速に話の流れについていけるようにするというものもある。また、会議後には重要なポイントを記すとともに、スマートチャプター機能によって細分化したZoom録画に加え、自動生成された会議の要約が入手できる(ただし、会議の主催者がこれら機能を有効にしておく必要はある)。さらにZoomは2024年の春までに、同社のAIツールが「リアルタイムフィードバック」機能を提供する予定だと述べた。この機能は、会議における参加者のパフォーマンスを評価するとともに、会話やプレゼンテーションのスキルについて指導するというものだ。
Zoomは、このAI機能を実現するために同社独自の大規模言語モデル(LLM)とともに、Metaの「Llama 2」の他、OpenAIとAnthropicのLLMを使用していると述べた。LLMは、OpenAIの「ChatGPT」やGoogleの「Bard」、Microsoftの「Bingチャット」といった、生成型AIを搭載したチャットボットで利用されている。
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その他のアップデートの中には、Team Chat向けとして、生成型AIを用いた要約機能も用意されている。この機能は、長いチャットスレッドを理解する際に役立つものであり、向こう数週間のうちに提供される。また2024年の初めまでには、文章を自動補完する機能や、チャットから会議をスケジューリングする機能も提供される。
AI Companionはデフォルトで無効化されているものの、アカウントの保有者や管理者によって有効化できるという。さらに同社は、自社またはサードパーティーのAIを訓練するために顧客の音声やビデオといった素材を使用することはないとも述べた。これはZoomが自社のAIツールのためにデータを「盗み見」するという懸念を受けたものだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。