Adobeの生成人工知能(AI)ツールである「Adobe Firefly」のベータテストが終了した。商用利用が可能になり、ウェブ版も正式に提供が開始された。これに伴い、クリエイティブな作業を行うすべてのユーザーが、「Photoshop」で画像を作成したり、Fireflyのウェブ版で変わったテキスト効果を試したり、「Illustrator」で画像の再配色を行ったり、「Adobe Express」で作成したポスターや動画の外観を整えたりするために、同ツールを使用できるようになる。
提供:Stephen Shankland/CNET
また、このAI技術を使用するための料金も明らかになった。Adobeは現時点でまだ料金を値上げしていないが、Fireflyを使用するための生成クレジットを「Creative Cloud」をはじめとするサブスクリプションプランに含めており、生成クレジットの数はどのプランに加入しているかによって異なる。
Creative Cloudのコンプリートプラン(年間プランの場合で月額54.99ドル[日本では6480円])に加入している場合は、生成機能を1カ月に最大1000回利用できる。単体アプリのプラン(PhotoshopまたはPremiere Proで月額20.99ドル[日本では2728円])に加入している場合は、500回の生成が可能だ。オールインワンのモバイルアプリAdobe Expressのプレミアムプラン(月額9.99ドル[日本では1078円])の場合は、Fireflyを250回利用できる。
ただしここで、Adobeが11月に、サブスクリプション料金を約9~10%値上げする予定であることに注意してほしい(日本は値上げの対象外)。同社はその理由として、Fireflyやその他のAI機能と新しいツールやアプリの追加を挙げている。
「誰にも(クレジットを)節約したり、足りない状態で作業したり、配給制であるように感じたりしてほしくない」と、Adobeのプロダクトマーケティング担当バイスプレジデントを務めるDeepa Subramaniam氏は述べた。
Fireflyを使用した筆者のこれまでの経験では、非常に素晴らしい効果が生成される一方で、制約も見受けられた。クラウドベースのサービスであるため、より優れた結果を生成するようFireflyを再トレーニングして改良するという約束をAdobeが果たしてくれると期待してよさそうだ。
水辺で撮影した水鳥の写真にFireflyを使ってカニを足した。水面にカニが反射している様子はおおむね良好だが、よくよく見ると明らかに不完全だ
提供:Stephen Shankland/CNET
有料のサブスクリプションプランに加入しているユーザーは、1カ月あたりの生成クレジットを超えてもFireflyを使用できるが、速度が遅くなると、Subramaniam氏は述べた。無料プランを利用するユーザーは、同技術を1カ月に25回使用できる。それらの上限を超えそうなユーザーは、11月以降は月額4.99ドル(約740円)で、100回分の生成クレジットを追加できるようになる。
もう1つ注目すべきアプローチとして、同社は、Fireflyのトレーニングに画像を使用した場合に、「Adobe Stock」コントリビューターに対して報酬を支払う。Adobeは、「有意義な」ボーナスを年1回支払うと、Subramaniam氏は述べた。支払金額は主に、そのコントリビューターの画像が顧客にライセンス供与された回数に基づくが、Adobe Stockに提出された承認済み画像の総数にも基づくという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。