NECは、11月に製造業界の企業のDXを推進するための「共創パートナープログラム/Manufacturing」を立ち上げ、12月6日に同社本社でキックオフイベントを開催した。NECとパートナーのソリューションを組み合わせることによって製造現場のDXを加速させるだけなく、その成果を世界の製造業界に展開していくことを目指しているという。
このプログラムは、NECとパートナーの資産や強みを組み合わせて新たな市場価値の提供を目指す共創型の取り組みになる。NEC製品やパートナー製品の顧客への販売からデリバリーを担う「セールスパートナー」と、パートナーソリューションとNECのソリューションを連携させたソリューションを開発する「ソリューションパートナー」の2種類があり、セールスパートナー7社、ソリューションパートナー13社の計20社体制で活動を開始した。
「共創パートナープログラム/Manufacturing」の参加企業
イベントであいさつしたNEC Corporate SVP 製造ソリューション事業部門長の清水一寿氏は、日本企業でもDXの取り組みが進み出している一方で、まだ目立った成果を得られていないなどの課題があると指摘し、「コロナ禍が明けてインドや中国などの製造現場を視察したが、デジタルを活用してビジネスを含め大きく変化させているおり、このままでは日本の製造業のDXがさらに遅れてしまう。このタイミングでプログラムを立ち上げ、NECとパートナーの強みを結び付けてソリューションを提供し、製造業のお客さまに貢献したい」と述べた。
イベント後にメディア取材に応じた清水氏は、国内製造業のDXについて、現場業務のさまざまな課題をデジタルで解決を目指す取り組みが多いとしつつ、少子化や労働人口減少などの影響を受けて近い将来にDXの取り組みが停滞し、海外に比べて国内製造業が衰退する恐れを感じていると話した。
NEC Corporate SVP 製造ソリューション事業部門長の清水一寿氏
従来は、NECなどが提供するソリューションを顧客側でインテグレーションする形が一般的だったというが、顧客側で熟練者の退職が進み、次の担い手となる人材も確保できなくなれば、新しい形でDXを推進させないといけないとする。清水氏は、旧来の共創プログラムなどを再構築して新プログラムにすることを以前から構想していたが、コロナ禍後に海外を視察する中でプログラムの立ち上げを急ぐ必要性を痛感したとのこと。パートナー数を今後3年で3倍に、パートナーとのビジネス規模を今後数年のうちに2.5倍にそれぞれ拡大させたいとする。