京浜急行電鉄(京急電鉄)は、業務効率化と環境保全の取り組みの一環として、デジタルコンテンツプラットフォーム「Handbook X」を採用した。アステリアが12月19日に発表した。
京急電鉄は、運転取扱実施基準や社内規程・各種資料など7種類のマニュアルを運用しながら、全乗務員と安全指針を共有し、高品質な鉄道運行を実現している。年に5回程度の内容改訂を行い、全乗務員への浸透・徹底を図っている。しかし、1000ページ以上の規程集や7種類のマニュアルを全て紙で配布しているため、ページの差し替えに時間がかかり、改訂内容の全乗務員への周知までに1週間程度の時間を要していた。
また、「サステナビリティ基本方針」の下、京急電鉄は環境保全への取り組みを積極的に進めており、紙で配布されている規程集やマニュアルを電子化する取り組みを開始した。これは、OA用紙使用枚数の大幅削減につながり、サステナブルな社会の実現にも貢献するため、約800人の乗務員にタブレットを支給し、閲覧権限なども統合的に管理できるコンテンツ管理システムの検討を開始した。
複数のツールを比較した結果、Handbook Xの採用を決定。これにより、従来は約800人の乗務員に印刷して配布していた1000ページ以上の規程集を順次電子化する。さらに、電子化により新規マニュアルの共有が容易になり、他社車両に関する動画マニュアルを新たに作成するなど、規程類の充実も図る方針だ。
Handbook Xでマニュアルを閲覧する様子
Handbook Xは、個々の乗務員がアプリ上で自ら作成した任意のコンテンツを登録・閲覧・共有できる。それによって、会社から提供される規程集と乗務員の一人一人のニーズに応じたコンテンツをワンストップで管理・閲覧できる。
将来的には、乗務員へのテストやアンケートもHandbook Xで運用し、問題作成や集計などを効率化する社員教育の活用も検討している。規程集などの完全電子化と迅速な情報共有や、検索性の向上による業務効率化を見込んでいる。ペーパーレスが推進され、紙資源の削減効果も期待できることから、京急電鉄が推進する環境保全への取り組みにも貢献するとしている。