レシピ動画サービス「クラシル」と買い物サポートアプリ「クラシルリワード」を運営するdelyは1月24日、三菱食品と業務提携に関する覚書を締結したと発表した。提携により両社は、食品/飲料メーカーと小売/流通事業者の売上拡大に貢献するソリューションの開発・提供を行うとしている。
まずは2024年5月から、三菱食品の100%子会社であるリテイルメディアが全国約140チェーン、4500店舗のスーパーマーケットに約1万2000台を導入しているデジタルサイネージを「クラシル“storeTV”」に順次刷新する。クラシル“storeTV”は6万種類以上に上るクラシルのレシピ動画から、各店舗の売り場に最適な動画を選択して放映することで、効果的な販促を行う。
クラシル“storeTV”の導入イメージ
delyは月間利用者5600万人以上のクラシルに加え、2023年5月からは特売チラシの閲覧や買い物レシートの送信でポイントを獲得できるクラシルリワードを運営している。両アプリを通して同社は、メーカー向けの広告ソリューションや小売/流通向けの販促ソリューションを提供している。
デジタルサイネージの効果を最大化するには、コンテンツの配信だけでなく、周辺売り場との連動や来店客に魅力を伝える視聴体験が重要となる。リテイルメディアは現在、スーパーマーケットの生鮮売り場を中心にサイネージを設置し、料理動画と広告を配信するサービスを展開している。同社のデジタルサイネージは、国内で最も多く導入されているというが、今回の提携によりクラシルのレシピコンテンツの配信や、三菱食品の知見を生かした売り場との連動を行うことが可能となる。
加えて、サイネージ端末に埋め込まれたビーコンにより、来店客が購買を検討するタイミングで、指定の商品を購入したレシート画像を送付することでポイントを獲得できるクラシルリワードの「マストバイキャンペーン」をスマートフォンにプッシュ通知する。delyと三菱食品は2024年中めどに、リテイルメディアのサイネージをクラシル“storeTV”に交換するとともに、クラシル/クラシルリワードとの相乗効果の創出を図る。