サムスン電子の会長である李在鎔(イ・ジェヨン)氏が、系列会社2社の合併をめぐって不正に株価を操作したとして訴えられていた事件で、韓国の地方裁判所は同氏に無罪判決を言い渡した。
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ソウル中央地方裁判所は、サムスングループの系列会社であるサムスン物産と第一毛織の2015年の合併が違法だったことを検察が立証できなかったと判断した。
検察側は、この事件は主に李氏のサムスングループに対する経営支配力を高めるために起こしたもので、合併は株主に損害を与えたと主張していた。一方弁護側は、合併は両社の価値を高めるために行われたもので、不正行為は存在せず、通常の営業活動の一環だったと述べていた。
李氏の弁護人は判決後、今回の判決で合併が合法的に行われたことが「明確に確認された」と述べ、裁判所に感謝の意を表明した。
今回の法廷での勝利は、サムスングループのトップである李氏にとって大きな意味がある。同氏はこれまで、収監リスクから経営で積極的な策がとりにくい状況にあるとみられてきた。サムスン電子は2023年、世界的な不況で家電製品やPC向けの半導体の需要が落ち込んだことから、過去10年で最悪の業績を記録している。
ただしこの判決は地方裁判所のもので、検察が判決を不服として控訴し、その後最高裁まで争う可能性も残っている。
李氏には、朴槿恵前韓国大統領が企業から賄賂を受け取ったとして側近とともに収監された事件に関連して、2017年に贈賄罪で有罪判決を受けて収監され、その後に釈放された経歴がある。
株価操作をめぐる今回の事件で李氏とともに起訴された他の13人の幹部も、すべて無罪判決を受けた。その中には、サムスン電子の元最高経営責任者(CEO)であり、同社のスマートフォン事業や半導体事業を今日の成功に導いた立役者の1人とされている崔志成(チェ・ジソン)氏も含まれている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。