トレンドマイクロの国内調査によると、回答者の14.6%がディープフェイクの悪用被害を経験していることが判明した。被害内容では、「フェイクニュースやデマ情報に扇動される」が54.4%と最も多く、偽発言動画や災害時の偽画像などが問題視されている現状を反映している。

WebサイトやSNSの画像、音声、動画による情報をどれくらい参考情報としているか(単一回答:n=2585)
調査は18歳以上の男女2585人を対象に実施した。ディープフェイクの言葉の認知度は約半数に上り、そのうち37.5%が実際にディープフェイクを目にしたことがあると回答した。

ディープフェイクの悪用に遭った際の具体的な内容(複数回答:n=377)
ウェブサイトやSNS上の画像・音声・動画情報は、6割以上が日常的に参考にしている。特に10~20代では8~9割近くが参考にしていることから、若い世代ほどこれらの情報への依存度が高いことが分かる。

ディープフェイクを、本物かどうか判断し見分けることができるか(単一回答:n=2585)
しかし、ディープフェイクを本物と見分けられると回答したのはわずか1.9%で、大半が情報の真偽の判断に自信がないと答えている。見分けることができると回答した割合を高い順に年代別で見ると、20代が3.4%、次いで30代が2.7%だった。20代と30代は見分けられると回答した割合が比較的高いものの、AI技術の進歩により、今後見分けることはさらに困難になると予想される。
トレンドマイクロは、情報源の確認や複数の情報源との照合など、慎重な情報収集を呼びかけている。また、ディープフェイクは被害者になるだけでなく、拡散することで加害者になる可能性もあるため、慎重な判断と行動が重要だと強調している。