トヨタ自動車のIT子会社であるトヨタシステムズ(名古屋市)は、グループ向け共通データベース基盤として「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)のマネージドデータベースサービス「Oracle Exadata Cloud@Customer」を導入した。日本オラクルが2月5日に発表した。
トヨタシステムズでは、トヨタの人事、品質、調達などの幅広い業務で使用されている社内システムを、仮想化統合基盤を用いて開発・構築している。これらのシステムはオンプレミス環境の「Oracle Database」で稼働しており、一部は仮想化統合基盤で動作しているが、その他のシステムは個別に運用されていた。性能向上、セキュリティ強化、運用効率化、コスト削減を目指し、データベース基盤を統合し、運用管理を一元化・共通化することにした。自社データセンターにデータを保持しつつ、従量課金で利用可能なOracle Exadata Cloud@Customerを共通データベース基盤として選定した。
Oracle Exadata Cloud@Customerは、自社データセンター内に「Oracle Exadata」のハードウェアを設置することで、機密データを保持しながらアプリケーションサーバーと低遅延で接続し、高い処理能力を提供する。クラウドの自動化によるマネージドサービスは、手動でのデータ管理タスクを減らし、構成や設定ミスを防ぐことで、アプリケーションの安定性とセキュリティを向上させる。高密度のコンピュートとストレージによりOracle Databaseのワークロードを統合し、消費電力とデータセンターの使用スペースを削減することで、全体のコスト削減にもつなげる。
トヨタシステムズは、日鉄ソリューションズと日本オラクルのコンサルティング・サービス部門の支援を受け、Oracle Exadata Cloud@Customerを用いた共通データベース基盤の構築を2024年10月に完了し、既存システムからのデータベース移行を開始した。稼働後の定期的なパッチ適用やデータベースのバージョンアップには「Oracle Real Application Testing」を活用し、テスト効率を向上させる。今後は最新のデータベース管理システム「Oracle Database 23ai」にバージョンアップし、基幹システムのデータを集約することで、AIの活用をより容易にする方針だ。