人工知能(AI)エージェントは、労働者に代わって自律的に職務を遂行し、それによって業務を合理化することで、職場に大変革をもたらしつつある。Microsoftは、あらゆる製品にエージェントを組み込み、さまざまな業界の労働者を支援してきた。そんな同社の最新製品は営業部門向けのAIエージェントだ。
「Sales Agent」と「Sales Chat」
Microsoftは米国時間3月5日の公式ブログで、リード(見込み客)の調査や会議の設定、顧客へのリーチ、さらには影響の小さいリードとの成約によって、営業担当チームがより多くの取引を迅速にまとめるのに役立つ「Sales Agent」を発表した。Sales Agentは、Microsoftの顧客関係管理(CRM)製品や企業データ、「Microsoft 365」のデータを利用して回答を有用なものにする。
Microsoftはさらに、「Sales Chat」もリリースした。これは、名称が示すように、CRMデータやプレゼンテーション資料、会議、メール、ウェブなどから、営業担当チームが必要な情報すべてを入手できるAIチャットインターフェースだ。このツールはチームが「調査」に費やす時間を減らして売り込みにかける時間を増やすのに役立つはずだ、と同社は述べている。
Microsoftによると、情報にアクセスするには、「頓挫する恐れのある取引のリストを出して」や「この顧客と明日に会う前に知っておくべきことは何?」といった簡単な会話形式のプロンプトを利用すればいいという。
さらにユーザーは、業界を代表する2つのCRM、「Dynamics 365」と「Salesforce」にSales AgentとSales Chatを接続し、CRM自体にはアクセスせずに取引をまとめることもできる。また、Sales AgentとSales Chatは、「Microsoft 365 Copilot Chat」とも統合し、シームレスな体験を実現する。
Sales AgentとSales Chatについては、5月以降に「Microsoft 365 Copilot」とMicrosoft 365 Copilot Chatでパブリックプレビュー版を利用できる。
「Microsoft AI Accelerator for Sales」
Microsoftは、顧客が営業業務を最適化するのを手助けするプログラム「Microsoft AI Accelerator for Sales」も発表した。同社の説明によると、「より多くの顧客がコパイロットやエージェントを利用した新たな働き方を体験し、販売組織を変革して、旧式なCRMベンダーと手を切るのに役立つよう設計された専用プログラム」だという。
Microsoft AI Accelerator for Salesでは、Microsoft 365 Copilot、設定済みのエージェントとカスタムエージェント、「Dynamics 365 Sales」が利用でき、AIモデルの微調整(ファインチューニング)も提供される。おそらく最も役に立つツールは、MicrosoftのAI専門家と協力して古いシステムからの乗り換えを支援する機能だろう。このプログラムは4月1日から顧客への提供が始まる。

提供:Getty Images / SOPA Images / Contributor
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。