OpenAIは米国時間4月14日のライブ配信で、新しいモデルファミリーの「GPT-4.1」「GPT-4.1 mini」「GPT-4.1 nano」を発表した。同社によれば、このモデルファミリーは、コーディング能力、指示に従う能力、ロングコンテキストの理解力が改善され、「GPT-4o」と「GPT-4o mini」を全面的に上回っているという。
ただし、今回のモデルは開発者向けに構築されたものであるため、API経由でしか利用できない。
OpenAIによれば、GPT-4.1モデルファミリーは開発者からのフィードバックに基づいて構築され、信頼性の高いフォーマットの順守、応答の構造と順序の順守、フロントエンドのコーディングなど、開発者が特に重視している分野を改善したという。同社は今回のリリースを予告した「X」への投稿で、このモデルを開発者の「超巨大ブラックホール」に対処するものだと表現していた。
今回モデルの最大の強みの1つは、下のグラフで見られるように、「Multilingual MMLU」(多言語大規模マルチタスク言語理解)のベンチマークなどの知能評価でパフォーマンスが向上したにもかかわらず、レイテンシー(遅延)が低減されたことだ。

提供:OpenAI
こうした強みを備えるだけでなく、今回のモデルは費用対効果も高く、開発者が抱える大きな悩みにも対処している。
OpenAIによれば、GPT-4.1は中央値のクエリーにおいてGPT-4oよりコストが26%低く、同社が現時点でリリースしているモデルの中で最も高速かつ低コストだという。さらに、GPT-4.1 miniはコストが83%削減されたと、同社はブログ記事で述べている。
その他の利点としては、GPT-4.1ではモデルが入出力として処理できるトークン(情報の単位)の量を示すコンテキストウィンドウが長くなり、最大100万トークンに対応したことが挙げられる。参考までに、「OpenAI o1」と「OpenAI o3-mini」のAPIにおけるコンテキスト長は20万トークン、「GPT-4.5」とGPT-4oは12万8000トークンだ。
OpenAIによれば、ロングコンテキストの理解力と指示に従う能力の向上により、GPT-4.1モデルは、人工知能(AI)の最先端の成果であるAIエージェントを「より効果的」に動かせるという。AIエージェントとは、簡単に言えば、ユーザーの作業を自律的に実行できるAIシステムのことで、ユーザーはステップを1つずつ指示する必要がない。
今回の新しいモデルは、GPT-4.5と同等またはそれ以上のパフォーマンスをGPT-4.5より低コストで実現する。そのため、OpenAIはGPT-4.5を廃止し、将来のモデルの構築に集中することも明らかにした。開発者に十分な移行期間を与えるため、「GPT-4.5 Preview」の提供終了は2025年7月14日とされている。

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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。